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偏向情報の中で行われる県民投票

石井啓一国土交通相が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄県による埋め立て承認撤回の効力を一時的に停止することを決めた。

石井国交相は30日の閣議後の記者会見で、判断理由について「(県の承認撤回は)普天間飛行場周辺の危険性除去や騒音被害防止を早期に実現することが困難となるほか、日米同盟にも悪影響を及ぼしかねないという外交・防衛上の不利益が生ずる」と説明した。防衛省沖縄防衛局による執行停止の申し立てを認めたもので、工事は再開される見込みだ。

 

一方、沖縄県議会では先ごろ、県民投票条例が可決、成立した。辺野古の代替施設建設について来春までに県民投票が行われる見通しだ。朝日新聞は県民投票について10月30日付け朝刊で「民意を反映する回路に」と題した社説を掲載し、「間接民主主義が適切に機能しない場合、民意をじかに確かめ、政治に反映させる道は当然あっていい」と歓迎の意を示している。

 

しかし、沖縄では行政、マスコミが一体となって建設反対を主張しており、正しい情報が県民に届かない中で行われる県民投票が果たして、民主主義の在り方と言えるのだろうか。

 

例えば、今回の投票条例の正式名称は「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例」だ。代替施設は辺野古に新しい基地を建設するものではなく、既存の米軍キャンプシュワブ内の海上部分などに滑走路を造るものだ。辺野古に新しい基地ができるわけではない。

 

これは地元メディアも同様だ。琉球新報は26日の社説で「辺野古で進む埋め立て工事に対して、県民一人一人が意思を示す機会となるのが県民投票だ。改めて辺野古新基地建設について考える契機にしたい」と述べている。

こちらは代替施設を「辺野古新基地」と称し、あたかも新しい基地が建設されるかのような印象を与えている。これを偏向と言わずして、何を偏向と呼ぶのか。

 

沖縄タイムスは28日の社説で「基地建設によってさまざまな被害を恒常的にこうむるのは住民である。自治体が住民の生活を守る立場から国に過重負担の軽減と公平・公正な扱いを求めるのはあまりにも当然である」と述べている。

普天間飛行場の危険性を除去して、一般住宅の上空を飛行ルートから外すような滑走路となっていることなどはおくびにも出さず、新たな危険が名護市民に降りかかるような印象を与えている。

琉球新報は社説で「与野党ともに、県民投票を政争の具にし、党利党略に利用することがあってはならない。全ての市町村の協力を得て、新基地建設に対する県民の真意を明らかにする機会にしたい」と締めくくっている。

ここでも新基地などと言う言葉を使って、まさにある一定の方向に誘導したいという意識がありありだ。

 

沖縄県の県民投票は行政、マスコミが一方的な情報を垂れ流すという中で行われることは間違いない。偏った情報しか手にできない沖縄県民こそ、不幸だ。

 

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