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CATEGORY政治

2019.06.24

国民に不幸を及ぼす立憲の経済ビジョン

立憲民主党は6月20日、中長期的な経済政策「ボトムアップ経済ビジョン」を発表した。夏の参院選公約の柱となるもので、アベノミクスへの対抗として打ち出したものだ。

しかし、これもまた国民民主党の参院選公約と同様に、実現可能性を疑わせるし、なにより政策としてのバランスを著しく欠いたものだ。

 

「経済ビジョン」はアベノミクスを「物価を上げるもの」と位置づけ、それに対して「賃金を上げる」ことを打ち出している。

 

その賃金引上げの方法としては(1)サービス残業の一掃など残業代の完全支払いを実現し、給与所得者の消費力を増加(2)保育士・介護職員の給与について、全産業平均を目標に段階的に増加させ、担い手の消費力を増加しつつ、担い手を確保して待機児童や介護離職の解消につなげる(3)非正規で働く官民の人々の無期直接雇用への転換を原則としつつ、待遇改善(同一価値労働・同一賃金の促進)を行い、消費力を増加(4)最低賃金法の改正と中小規模企業への大胆な支援により、まずは政府主導で5年以内に最低賃金1300円を目指す-などとしている。

 

しかし、ビジョンでまず留意しなければならないのは、アベノミクスについて「物価を上げる政策」としていることだ。

 

確かにアベノミクスは物価を上昇させ、経済的に早急に手を打たなければならなかった「デフレからの脱却」を目指していたことは間違いない。経済が縮小していくデフレは、企業にとっても家計にとっても放置できないことは言うまでもない。そしてデフレ脱却の道筋がつき、景気が拡大していくことはアベノミクスの大きな功績だ。

 

では安倍政権が、金融政策や財政政策による物価の上昇だけを目指しているのかといえばそうではない。

 

立憲民主党はあえて無視しているのだろうが、春闘時には、経済界に賃上げを求め、「3%」という具体的な数字を示したときもあった。それはまさに〝官製春闘〟などと呼ばれたほどだ。賃上げを目指すのは、これまでの安倍政権の重要な政策だったのだ。

 

最低賃金にしてもそうだ。2017年3月にまとめた「働き方改革実行計画」では「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が1000円になることを目指す」としている。現在は874円で1000円への道筋はほぼついている。

しかし、それをさらに加速させようと、政府の経済財政諮問会議が6月11日にまとめた経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の素案では、全国平均で最低賃金を「より早期に1000円に引き上げる」という目標を掲げているのだ。

 

立憲民主党のビジョンのように1300円というのは簡単なのだが、最低賃金を上げることは、全国の中小企業にも影響が及ぶ。人件費に耐えられなくなった企業が人減らしに動くこともあり得る。

 

だから、政策にはバランス、換言すれば各方面への影響を配慮しながら、急進的に実施することが可能な分野は急進的に、影響が多方面に多大に及ぶ場合は漸進的に行うことが必要なのだ。その視点を欠いた政策は、国民に不幸を及ぼすことになる。

 

(terracePRESS編集部)

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