コンパクトシティで地方を変える

少子高齢化の急激な進展で、地域社会が大きく変わろうとしている。その一つがコンパクトシティへの取り組みだ。地域の人口が減少していく中で、人口密度を維持することで、都市活動や都市経営など持続可能にすることを目的に、地域に根付いている価値を活かしながら、住民の豊かな暮らしを実現しようというものだ。

 

2014年の改正都市再生特別措置法の施行によりスタートしてから今年で5年を迎え、この間、468 都市がコンパクトシティを目指す立地適正化計画の策定について具体的に取り組み、このうち250 都市で立地適正化計画が作成・公表されているという。

 

コンパクトシティが求められる背景にあるのは、地方都市では高齢化が進む中で、市街地が拡散し、低密度な市街地となってしまっているためだ。このため、立地適正化計画では、福祉・医療・商業などの「都市機能」や「居住機能」の立地、公共交通の充実に関する包括的なマスタープランを作成し、それにより民間の都市機能への投資や居住を効果的に誘導するための土俵づくりとすることを目指すものだ。

単純化すると、都市全体を俯瞰して、居住誘導区域と都市機能誘導区域をつくり、住民生活が滞らないよう、公共交通機関で結ぶ青写真を作るというわけだ。

 

しかし、この構想にはさまざまな誤解も生まれている。その一つが「街を縮小するもの」という解釈だ。確かに、結果として街を縮小するということになる場合もあるだろうが、縮小するための計画ではない。

コンパクトシティの意義はあくまでも、人口減少などを契機に、まちなかや拠点の価値を高め、より豊かな生活の実現を目指そうというものだ。

 

都市は、一定の人口密度がないと医療や福祉、商業などの様々な都市機能や公共交通サービスが維持できなくなり、結果として住民の生活を持続させることが困難になる。

また、人口減少に伴い消費の縮小が見込まれるが、地域で一定の消費やそれを見込んだ投資が継続的に行われる持続可能な経済構造を構築していくことが不可欠だ。

 

このため、既存のストックを最大限活用しながら、まちなかや拠点への都市機能を誘導したり、居住人口を維持したり、さらに様々な人による賑わいを創出したりすることが求められている。同時に、周辺部では、これ以上の市街地の拡散を抑え、それによって

多様なライフスタイルに対応した都市生活の場を作る必要がある。

 

政府は、デジタル化を原動力とした「Society 5.0」の実現を目指しているが、同時に、地域の生活機能を集約したコンパクトなまちづくりも、ユニバーサル社会の実現を推進するための取り組みとしている。

 

(terracePRESS編集部)