見てみたい首相の逆質問

党首討論が6月19日、昨年6月以来1年ぶりに開かれる。今の国会では初開催となる。

党首討論は、イギリス議会のクエスチョンタイムをモデルにしたとされ、1999年11月10日の第146回国会で、自民党の小渕恵三首相と野党党首で初めて行われた。皮切りになったのは、当時、民主党代表だったあの鳩山由紀夫氏だ。

 

鳩山氏は「国民が大変に期待をしているいわゆるクエスチョンタイムが、きょうから始まる。私ども、生の総理の声をぜひ国民の皆様方にも聞いていただきたい、そんな思いでいろいろと御質問を申し上げたいと思っている」と口火を切った上で、第一問として「きょう総理は朝何を召し上がったか。私は、けさはピザを食べてまいりました。特に、温かい、非常に熱いピザをおいしくいただいてまいりました。総理にまず、何を召し上がったか、お尋ねをしたい」と述べたが、小渕氏は「いつものとおり日本食の食事をした。温かいピザを食べたということだが、アメリカのオルブライト国務長官から以前、冷たいピザもまたおいしいと言われたことがある」と上手い即答をしてスタートした。

 

小渕氏を含め、前政権の安倍首相を一人とカウントすると、現在の安倍首相まで計10人の首相が党首討論に立っている。

 

前回である昨年6月の討論では安倍首相と立憲民主党の枝野幸男代表との間で始まったが、枝野氏は冒頭こそ消費税の引き上げの実現性や参議院の議員定数問題を取り上げ議論らしくなったが、中盤から終盤にかけては一方的に森友学園や加計学園などについて持説を主張する形となった。

共産党の志位委員長も、森友・加計学園についての質問を連発、予算委員会での質問とほぼ変わらない形となった。

 

前述したように、日本の党首討論はイギリス議会のクエスチョンタイムをモデルにしたとされ、第一回目の鳩山氏も「いわゆるクエスチョンタイムが、きょうから始まる」と述べている。しかし、イギリス議会のクエスチョンタイムは、日本の党首討論よりも、予算委員会に近い。1対1で議論をするという点では日本の党首討論と同じだが、イギリス議会の首相のクエスチョンタイムは、質問者は野党の党首に限られず、与野党の下院議員が首相に対し、直接質問を行うことができる機会となっている。

一方、質問の事前通告が事実上ないという点では、日本の党首討論と同じと言える。

 

ところで、イギリス議会の首相のクエスチョンタイムで、特に注目されるのは、首相と野党第1 党の党首との10 分余の論戦とされている。それは、野党第1 党の党首にとって、首相のクエスチョンタイムは自らを次の首相にふさわしい存在として示し、リーダーシップを誇示する機会となるからだという。

 

顧みて日本の党首討論はどうだろうか。残念ながら、野党第一党の党首が、次の首相にふさわしい存在としてリーダーシップを示そうという意識は感じられない。首相の揚げ足をなんとか取ろうということに終始しているのが実態ではないだろうか。

 

日本の党首討論は、首相が野党党首に逆質問をしてもいいことになっている。首相が質問をし、野党党首が真っ当な回答できるかどうか、一度見てみたいところだ。

 

(terracePRESS編集部)