毒を巻きちらすトンデモ有識者の岡田晴恵氏
新型コロナウイルス感染症をめぐってはさまざまな有識者がテレビで解説しているが、中には毒をまき散らすというしかないトンデモ有識者もいる。その代表格が岡田晴恵氏だろう。
岡田氏はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が拡大したことを契機にテレビ朝日系の「モーニングショー」などの情報番組に連日出演をし、今では大手芸能事務所のワタナベエンターテインメントに所属するほどだ。白鷗大学教育学部教授とはいっても、まるでタレントのような〝活躍〟だ。
しかし、感染症についての知見を持っていないタレントなら、例え誤ったことを言ってもまだ許される余地もあるが、岡田氏は有識者、専門家のような立場で一方的な解説を垂れ流すからたちが悪い。
例えばテレビ番組で「感染研がPCR調査を民間に拡大することに消極的な理由として、データを独占したいOBがいる」と発言したことも記憶に新しい。岡田発言は〝有識者〟の発言として注目を集めたが、国立感染症研究所が「事実無根であり、新型コロナウイルス感染症対策への悪影響を及ぼしている」と反論したとたん、発言の証拠すら提示できず、そのまま尻すぼみになった。
岡田氏は、共立薬科大大学院薬学研究科前期を修了後、順天堂大大学院医学研究科後期を中退している薬学修士、医学博士だが、医師免許を持っているわけではない。当然ながら感染医療の現場などについての知識は、現場の医師や医学者に及ぶべくもない。それにも関わらず、テレビであたかも〝専門知識〟のような言説を振りまいているのだ。
本来は、起用する人物について専門性だけでなく、発言の正確性などをチェックし、情報の信頼性を確保するのがテレビ局などメディア側の責務のはずだが、岡田氏の大胆なトンデモ解説が視聴者の注目を集めるため、テレビ局はその責務をあえて放棄しているのだろう。
事実、4月28日の「モーニングショー」で、テレビ朝日解説委員の玉川徹氏が、前日の東京の新型コロナ感染者すべてが民間の検査機関によるもので、行政の検査機関は土日に休んでいたと発言。岡田氏も「全部、民間だというのは私も聞き及んでいます」と話していた。しかし、翌日にはこの情報は誤りだったと玉川氏が謝罪している。
玉川氏の情報を「私も聞き及んでいる」とした岡田氏はテレビ朝日が入手した情報をそのまま追認しただけなのだろう。そうでなければ、よほど信頼がおけないところから情報を得て、それを確認しないまま垂れ流しているということだ。
もちろん、テレビには名実ともに有識者と呼べる医学者や医師も出演しているのだが、岡田氏のように有識者とはとても呼べない人物が、不正確な情報をしたり顔をしてテレビで語る。それが国民を不安にさせたり、混乱させたりしているのだ。
(terracePRESS編集部)