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2021.09.30

時代が要請した日本を変える岸田次期首相

自民党は岸田文雄前政調会長を新総裁に選出した。臨時国会で首班指名が行われることになるが岸田氏が首相になるのは確実。岸田氏は「新しい日本型資本主義」の構築を目指しており、これまでの日本を変えることが期待される。ある意味、新型コロナウイルス感染症という未曾有の時代を経て、時代が要請した首相になるだろう。

 

立憲民主党の枝野代表は、岸田氏の新総裁選出を受け「新総裁として安倍・菅政権と何がどう違うのか。まず説明いただくことが最初だ」などと述べている。枝野氏は岸田氏が総裁選で何をどう訴えたかすら理解できないのだろう。

 

岸田氏が主張したのは「新しい日本型資本主義」だ。この「新しい日本型資本主義」とは成長と分配の好循環を作り出すことだ。

日本はバブル経済を経てデフレ状況に陥り、またリーマンショックも加わり、成長の姿を描くことが極めて難しい時期を経てきた。民主党政権ではその出口が見えないまま無為に時間だけが過ぎてしまった。

 

その崖っぷちの日本経済を再生したのが安倍政権であり、それを菅政権が引き継いだ。アベノミクスの「財政政策」「金融政策」「成長戦略」という3本の矢は日本経済を回復軌道に乗せたことは間違いない。もちろん、新型コロナという予想もできない事態に直面したが、菅首相が示した脱炭素社会の構築、デジタル革命も合わせて成長の方向性が見えてきた。

 

確かに、これまでの成長路線が経済格差を内在させてしまった側面は否めない。しかし、成長を優先させなければ日本経済が縮小均衡に向かう恐れもあった。そのベクトルを変えたのが安倍政権であり、菅政権だったわけだ。

 

岸田氏のいう「新しい日本型資本主義」は、そうしたこれまでの経済政策の実績、成長の果実があったからこそ、それを分配し、好循環を作るというものだ。そういう意味で、岸田氏が首相になることは時代の要請だ。

 

一方、国際問題に目を移すと、軍事的な拡張を続ける中国の行動はアジア情勢というより、国際社会の問題となりつつある。日米安保体制に加え、日米豪印4カ国のクアッドや米英豪3カ国のオーカスという枠組みも発足し、いわゆる西側諸国が協力して中国問題に対応するという機運が出てきている。

そうした中で外相を4年8カ月務めている岸田氏が首相に就任することは、これもまた時代の要請と言えるかもしれない。岸田氏は総裁選で「民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く覚悟。権威主義的体制が勢いを増す中、台湾海峡の平和などに、米欧豪印などとともに毅然と対応する」などと主張、尖閣諸島の平和維持についても訴えていた。

 

もちろん、新型コロナに関しても、経済の下支えも含めて大型の補正予算の編成も実施する方針で、内政や外交について新しい取り組みを強化する考えだ。

以上をみれば、岸田氏が自民党総裁に就任し、首相となるのは、時代の要請と考えられるだろう。

(terracePRESS編集部)

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