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専守防衛だからこそ必要な「反撃能力」

ロシアのウクライナ侵略により、世界の安全保障環境が激変した。それは、ロシアが攻め込んだ2月24日以降を新たな〝現代社会〟と呼べるようなものだ。各国では安全保障を強化するため対応力の強化、軍備増強の動きが出ているが、日本でも自民党が国家安全保障戦略(NSS)など戦略3文書の改定に向け、「反撃能力」の保有など政府へ提言する。

 

ロシアのウクライナ侵略は、国家が他国の無辜の民の生命をいとも容易く奪い、自由、民主制、法治、人権の尊重など普遍的であるべき価値観が蹂躙されることが現実にあることを改めて見せつけた。

 

こうした事態を引き起こさないために、各国が対応力の強化を進めている。ドイツは連邦軍の強化に向け今年約13兆円を投じると伝えられているし、北大西洋条約機構(NATO)は、加盟国の目標としているGDP比2%を超える投資を行う方針を打ち出している。

 

そうした中、日本では自民党が、安全保障政策の根幹となる「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の戦略3文書の改定に向け、「反撃能力」の保有など政府へ提言する。

 

「反撃能力」はこれまで「敵基地攻撃能力」と称していたもので、日本を侵略した国の〝指揮統制系統〟を含む基地を直接攻撃できる能力のことだ。

いうまでもなく、日本は専守防衛を防衛政策の基本としている。この専守防衛とは「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢」とされている。

 

ただし、専守防衛だからと言っても、日本に侵攻した国の国土に反撃してはならないということではない。しかし、これまでそうした能力が十分ではなかったため、まさしく「反撃能力」としての防衛力を保持しようというのが、今回の提言だ。

「先制攻撃とも明確に区別される」(高市政調会長)専守防衛だからこそ、そうした攻撃能力を備え、相手に日本の侵略を抑制させることが重要なのだ。

 

また提言では防衛費支出を5年以内と期間を区切ってGDP比2%以上とすることも求める。

 

立憲民主党の泉代表は会見で、自民党の提言案で「反撃能力」に関し、攻撃対象として「指揮統制機能等も含む」と明記したことについて「場合によっては憲法違反になりかねない。具体的に何を指すのか明確にする責任がある」と、相変わらずの揚げ足取りをしているが、よほど国民の生命の安全よりも憲法を優先したいのだろう。

指揮統制系統を具体的に明確にすることが、相手にその情報を与えるということすら考えられないようだ。

 

日本は平和国家として専守防衛を維持するが、その能力を十分に整備しなければならない。それがロシアのウクライナ侵略から日本が学ぶべきことだ。ロシアによる侵略後の〝現代社会〟においては、これまでのような思考停止では、安全を確保できない。

 

(terracePRESS編集部)

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