野党共闘に進む立憲民主党の軽さ
立憲民主党が手のひらを返したように、野党共闘路線へシフトし始めた。その理由は?というと、衆参同日選の可能性が出てきたからだという。立憲民主党は参院選では、独自路線を歩む色彩が濃かったが、それが「共闘だ」というから、訳が分からない。立憲民主党の党勢が上向かないのも理由の一つだろうが、こうした地に足がつかない対応ばかりしていることも国民の支持を得られないことに気が付かないのだろうか。
立憲の枝野代表は4月26日の記者会見で「参院の1人区の一本化をしっかり進めるとともに、衆院でも競り合いが予想される選挙区を中心に可能な限り候補者を一本化し、自民党との一騎打ちの構造をつくっていくことが重要だ」などと語ったという。
それまで参院選での野党共闘について「合従連衡にはくみしない」と独自路線を貫いていたのが、大げさに言えばコペルニクス的転換だから驚きだ。
しかし、これはまさに数合わせの発想だ。枝野氏は参院選では独自路線を敷き、参院での党勢拡大をまず行い、来るべき衆院選では野党内での立場を強化したうえで、野党共闘の主導権を握ろうと考えていたのだろう。
事実、国民民主が自由党との合流話を進めれば、立憲民主は社民と参院で統一会派を作るなど、コップの中の戦いをしていたのだ。それだけ、野党の中でのポジションにこだわりがあり、だからまず独自路線ありきだったのだろう。
だが、実現可能性は分からないまま、衆参同日選の話が少し出ただけで、「じゃあ野党共闘」と言わんばかりに方針を転換するところが、なんとも軽い政党ではないか。
この軽さは、国民の支持に結びつかない。
事実、立憲民主党は党結成直後こそ10%前後の支持率があったが、最近では3~4%前後の〝低位安定政党〟となっている。もちろん、支持率1%などとなっている国民民主党のような〝虫メガネ政党〟よりは支持率が高いが、決して胸を張っている場合でないことは間違いない。
だから「野党共闘」というわけだろうが、いったいこの状況の中で、国民は立憲民主党のどこを支持すればよいのだろうか。
国民はその提示を待っているのだが、それに答えられないのが立憲民主党の現実なのだろう。
(terracePRESS編集部)