菅首相、コロナ再拡大に「爆発的感染は絶対阻止」
新型コロナウイルスの新規感染者が北海道など地方も含めて増加する傾向が顕著になりつつある。歓楽街での感染などが目立っているが、菅首相は「爆発的な感染は絶対阻止する」と強い意志を表明している。ただし、コロナで売り上げが落ち込む事業者や収入が減少する人々も多く、経済の再生が不可欠なことも事実。感染拡大の阻止と経済の再生の両立を図るためには、今こそ官民挙げての取り組みが必要だ。
数字は増減するものだが、最近の新規感染者は全国では1000人程度となっている。北海道では連日100人を超える感染者が出ており、7日には過去最多の187人となっている。特に、札幌市の歓楽街のススキノでは、接待を伴う店を中心にクラスター(感染集団)の発生が相次いでいる。
このため、北海道は独自に設定した5段階の警戒ステージを「2」から「3」に引き上げ、ススキノの約4000店を対象に3週間程度、業態に応じて11日から、午後10時から午前5時までは営業や酒類の提供などの自粛をするよう要請する。要請に応じた店には支援金20万円を支給するという。
こうした感染拡大は北海道だけではなく、全国的な傾向とも言え、政府にも危機感が高まっている。菅首相は7日、横浜市内で講演し「新型コロナウイルスの感染状況は増加傾向だ。強い警戒感をもって感染状況を注視しております。爆発的な感染拡大は絶対阻止する。国民が安心して元の暮らしに戻ることができる環境作りに全力をあげる」などと述べたうえで、来年前半までに全国民分のワクチンを確保することなどを改めて表明している。
しかし、爆発的な感染を阻止するにしても、今年4月7日に発した緊急事態宣言のような状況を避けたいのは国民だけでなく政府も同じだろう。もちろん、個々の営業自粛などは自治体の判断になるが、新型コロナによる経済への悪影響、苦境に直面している人々がいる中で、政府も国民も、再び経済活動を低下させる状況は招きたくないはずだ。
そして実効性のある感染拡大防止には、企業や国民1人1人が自ら積極的に行動するしかない。やるべきことは何も新しいことではない。企業であればテレワークや時差出勤の推進。
個人レベルとなると、うがい、手洗いの励行と「密閉」「密集」「密接」の3密を避けるという極めて常識的な行動だ。
最近は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が「感染リスクが高まる『5つの場面』」も提言しており、そうした感染リスクが高まる場面を可能な限り避けるということも重要だ。
医療機関に過度な負担をかけないよう、これ以上の新型コロナの感染拡大を回避するためには、「爆発的感染は絶対阻止」という決意を首相だけでなく、国民1人1人が持たなければならない。
(terracePRESS編集部)