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2020.04.14

新型コロナ感染拡大阻止の国民、事業者の責務

新型コロナウイルス感染症で改めて浮き彫りになったのは、メディアの在り方ではないか。安倍首相による緊急事態宣言の発出以降、テレビが視聴者に外出を控えるよう呼びかけるケースも出てきたが、それでも対策の批判ばかりが目に付くことは否めない。

 

新型インフルエンザ等対策特別措置法では、国に対して、国民の生命、健康を保護することはもちろん、国民生活や経済に及ぼす影響が最小となるように万全の態勢を整備することを義務付けている。これは当然で、政府だけでなく、自治体も現在、この法律に基づいてさまざまな対策を行っている。

 

その対策についてメディアは、あーでもない、こーでもないと延々、批判を続けているのだ。中には、営業の自粛要請があったにも関わらず、「営業を続ける」という居酒屋を取り上げる番組もある。

 

一方、あまり紹介されないのが、この法律に規定された国民の責務だ。

第4条では「事業者及び国民は、新型インフルエンザ等の予防に努めるとともに、新型インフルエンザ等対策に協力するよう努めなければならない」と規定。さらに第2項では「事業者は、新型インフルエンザ等のまん延により生ずる影響を考慮し、その事業の実施に関し、適切な措置を講ずるよう努めなければならない」と明記している。

 

つまり、国民はそれぞれが対策に協力する責務があるのだ。例えば外出の自粛要請。それが「要請」にとどまっているから、それを無視して無条件に外出していいということではない。そこは自己責任ではないのだ。国民や事業者は要請に応える責務がある。

 

また第2項では事業者に事業の実施について規定しているが、それは企業が在宅勤務を実施することも含まれるだろうし、例えば放送事業者であれば、政府や自治体の対策に協力し、対策の円滑な推進に寄与すべきだろう。

 

しかし現実は違う。テレビのコメンテーターの面々は緊急事態宣言が発出されても、対策の足を引っ張ることばかり以外に関心がないようでさえある。

10日のテレビ朝日の情報番組で、コメンテーターの玉川徹氏が政府の経済対策について「ほんとにお金出したくないんだ。どれくらい効くか分からないけど、効くと思っているのだろう。自粛要請だけで。非常事態宣言だけで、もしかしたら(接触機会減が)8割くらいいくかもしれないと希望的観測を持っているのだろう」と言い放っている。

 

玉川氏はいったい「政府が金を出したくない」と考えていることをどこで確認したのだろう。さらに、非常事態宣言だけで接触機会が8割減ぐらいになるとの観測を持っていることをどこで確認したのか。

 

玉川氏の発言は何も根拠のない単なる観測、嘘、フェイクにしかすぎないのだが、それをそのまま視聴者に伝え、誤解を与える放送事業者は、「対策に協力するよう努めなければならない」との特措法の規定を踏みにじっているのだ。

 

ちなみに玉川氏は、このコメントに続いてさらに「希望的観測で戦力逐次投入は旧日本軍がやった最大の失敗要因だと前も申し上げたが、それをまたやろうとしている。そうじゃないでしょ。戦力一気投入しないと意味がない」などと述べている。戦力の逐次投入が旧日本軍の最大の失敗と思っているところがすでにお寒い限りなのだが、感染の拡大防止も、経済対策も状況を勘案しながらさらに対策を重ねていくことの重要性など思いもつかないのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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