朝日のステルス安倍批判

朝日新聞といえば安倍批判の急先鋒。しかし、9月の自民党総裁選を前にした8月4、5日に行った世論調査では、安倍、石破、野田の3氏のうち次期総裁にふさわしいのは安倍氏が32%、石破氏が26%となったのは、朝日新聞としては〝悔しい結果〟になったに違いない。前回調査に比べると安倍氏が4ポイント増、石破氏が3ポイント増で、傾向としても安倍氏の優位が強まっている。

総裁選を前にした時期にも関わらず、7日付け朝刊の3面に掲載した世論調査記事の見出しは「東京医大減点『問題』93%」。同大の女子受験生一律減点を「問題だ」と考える人が大多数になるのは当たり前で、安倍氏支持を3面の見出しに取らなかったのは、悔しさの表れだろう。朝日新聞の姿勢とは異なり、国民が正しい判断をしているということだ。

 

ところで、朝日新聞の安倍批判は巧妙で、今回の世論調査でも「安倍さんが大きな力を握る『1強政治』はよいことだと思いますか」との質問をしている。これは、あたかも安倍氏個人が大きな権力を掌握し、独裁政治をしているような状況を想起させる質問で、こんな質問を受ければ、普通の人間であれば「よくないこと」と思うのは間違いない。事実、この質問に対する国民の反応は「よいことだ」が17%、「よくないことだ」が69%に達している。

 

一方、安倍内閣の支持率は「支持する」が38%、「支持しない」が41%となっており、安倍内閣の支持者でも「安倍さんが大きな力を握る『1強政治』はよいことだと思いますか」との問いに対して、「よくないこと」と思っているということになる。

 

確かに、新聞やメディア、また国会でも「安倍1強政治」という言葉はよく聞く。しかし、それは安倍政権が、または自民、公明の与党が1強だ、ということだ。これは裏返すと、野党が与党に対抗できない低レベル、揚げ足取りに終始し、建設的な論議すらできない政党としても未熟さに起因したものだ。

これまでの国政選挙で、国民が野党は信頼できない、任せられないと判断した結果が、「安倍1強政治」を現出させた。換言すれば、自民党と安倍政権はその国民の負託にこたえて、政権運営、行政運営をしてきたのだ。

 

もちろん、現政権の安倍氏個人のリーダーシップは特筆すべきものだろうが、強力なリーダーシップと専制政治、独裁政治とは全く違う。ましてや日本のような法治国家では、すべての手続きが法令にのっとって行われる。それは安倍政権でも当然だ。

 

そうした状況であるにも関わらず、朝日新聞は世論調査の質問で「安倍さんが大きな力を握る『1強政治』はよいことだと思いますか」と、あたかも安倍氏個人が強大な権力を握っているかのような茶の間の議論レベルの質問を盛り込ませている。この結果、知らない間に「安倍個人の強大な力はよくない」とのイメージが形成されてしまうのだ。

 

「安倍1強政治」を「安倍個人の1強」と議論をすり替える朝日の手法は、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝するステルスマーケティングのようなものだ。