国民に安心与える「思い切った」2次補正
安倍首相は、新型コロナウイルス感染症をめぐり、39県についての緊急事態宣言の解除を表明した14日の記者会見で「政府として直ちに2次補正予算の編成に着手する」と表明した。
政府はすでに、総額117兆1000億円の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を策定しており、国民1人当たり10万円の給付金は、すでに給付がスタートしているし、最大200万円で、中小・小規模事業者が自由に使える持続化給付金は5月1日から給付が始まっており、14日現在で累計約9万件、1,000億円超が支給されている。また実質無利子、元本返済最大5年据置きの融資制度も整備している。
2次補正はこの対策をさらに強化するもので、雇用調整助成金の拡充や中小・小規模事業者への支援制度の創設、学生支援制度の創設、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の拡充-などが検討されている。
雇用調整助成金は現在、1日8330円が上限となっているが、日額上限を1万5,000円まで特例的に引き上げる。これが実現すれば世界で最も手厚い助成となるという。
同助成金は、雇用者が被雇用者に休業手当を払って休業させるということが前提となっているため、今回は被雇用者が直接申請し、助成金を受け取れる制度を創設する見込みだ。
また、中小・小規模事業者支援では、飲食業など売り上げが大幅に減少している業種は、家賃が固定費として大きな負担となっている。これまでも不動産会社や金融機関などに家賃の減免など応じるよう要請していたが、事業者の家賃をより一層軽減するための支援制度を創設するという。
大学生など学生がアルバイト収入の減収などにより学業を断念することがないよう、学生支援のための仕組みも新たに作る方針だ。
また、経済対策では、新型コロナウイルス感染症への対応として緊急に必要となる医療提供体制の整備が、地域の実情に応じて機動的に実施できるよう、都道府県の取り組みを包括的に支援する「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」を創設。1次補正予算では国費として1,490億円を計上している。しかし、これは国の負担割合が2分の1となっているため、これを見直し、全額国費負担とする見込みだ。
西村経済再生担当相は、2次補正予算案について「どんな事態が起きても日本経済を守っていく。事業・雇用・生活を守り抜いていく枠組みを作って、思い切ったものにしたい」と述べている。これまで、どちらかと言えば国民の命を守るためにウイルス感染阻止に軸足を置き、その実効性も上げた安倍政権だからこそ、国民生活の安定と日本経済を守ることに全力を挙げることは間違いないだろう。
(terracePRESS編集部)