新型コロナ後を切り拓く科学技術・イノベーション

新型コロナウイルス感染症の世界的流行で、私たちの社会は今後、大きな変容を遂げることになる。新型コロナ前と後では、個人の生活、家庭生活から世界の経済活動まで、その在り方が一変するだろう。

 

そもそも新型コロナはリーマンショックを上回る影響を経済に与えることが避けられないとみられ、これ一つだけでも日本にとっては大きな足かせだ。しかし、日本に変革を迫るのは新型コロナだけではない。

着実に進行する少子・高齢化、人口減少は地域社会、地域経済を疲弊させるし、震災や巨大台風などの災害リスクは、安心できる国土作りを不可欠のものとしている。

こうした日本が抱えるさまざまな課題を乗り越えるためには、科学技術・イノベーションが必須となる。安倍政権は科学技術やイノベーションを活用して日本を新たな成長軌道に乗せ、強靭な経済構造の構築を図る方針だ。

 

安全で安心できる社会を作るため「新型コロナウイルス感染症など災害対応能力の強化」が必要で、そのうち新型コロナ対策としては今後、感染症の治療法やワクチンの開発、機器やシステム開発などを一層加速させることはもちろん、国立大学などの感染症研究基盤の強化や検査・分析データの迅速な流通、コロナ追跡アプリなどIT活用が必要と考えられている。

 

また「災害にレジリエントな社会システムの構築」を図るため、防災をはじめさまざまな分野のデータと連携したスマートシティの構築なども進める方針だ。

 

新型コロナ後は新しい社会への変容が余儀なくされるが、安倍政権はそのため「新しい日常を支えるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進」を図る考えだ。

DXは「デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること」を意味するが、具体的には5Gなどの情報通信ネットワークの整備やサイバーセキュリティ対策はもちろん、医療や物流、教育・研究、農業などの分野のDX推進のためのデータ利活用基盤などインフラ整備を進めるという。

 

さらに、新型コロナの影響で懸念されるのは民間研究開発投資の減少で、政府は、企業からの共同研究費の減少がリーマンショックの時と同比率であると仮定しても2020度から10年間で少なくとも2,000億円以上の投資縮減が生じるおそれがあると試算している。

このため政府は、AIやバイオ、量子技術、環境・エネルギー、マテリアルなど次世代技術の開発に重点投資する。

また、急激な資金規模縮小が見込まれる創業などへの資金支援やスタートアップによる医療・安全・安心関連のイノベーションの促進も展開する見込みだ。

 

(terracePRESS編集部)