徴用工問題で日韓請求権協定の正しい認識を

韓国の最高裁である韓国大法院は10月30日、朝鮮半島が日本統治下に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟で、同社に賠償を命じる判決を下した。日本は元徴用工の補償問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」と認識しており、安倍首相も「国際法に照らして、あり得ない判断だ。政府として毅然として対応する」と語っている。

 

韓国は慰安婦問題でも、日韓合意の柱である「和解・癒やし財団」解散する見込みだが、今回も同様に二国間の国際的な合意を反故にする動きだ。今回の判決に対しては、日本人がまず、日韓請求権協定で解決済みであり、不当な判決であるとの認識を持たなければならない。

 

日韓請求権協定は、日韓基本条約と同時に締結された。この協定の第1条に基づき、日本は韓国に対して合計5億ドル(無償3億ドル、有償2億ドル)などをはじめとする経済協力支援を行っている。

一方、第二条では「両締約国およびその国民(邦人含む)の財産、権利および利益ならびに両締約国およびその国民の間の請求権に関する問題が、1951年9月8日にサンフランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と規定している。

 

この規定などを基に日本は「両国間における請求権は、完全かつ最終的に解決されている」との立場を堅持しているのだが、それは当然だ。韓国は請求権協定に基づき、経済協力を得る代わりに請求権を放棄したのだ。

 

これは情緒の問題でも、感情の問題でもなく、日本と韓国の間で結んだ協定の問題であり、もし「隣国だから仲良くすべき」というような考えがあったら、それは見当外れだ。まさしく協定に基づいて両国がそれぞれ請求権を放棄したか否かであり、両国および国民が請求権を放棄したことに疑いの余地はない。

だからこそ協定でも「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」との文言があるのだ。

 

今回の判決で、さらに日本企業を訴える裁判が増えることも予想され、日韓関係に決してプラスにならないことは事実だろう。

しかし、だからといって、日本自らが請求権協定の意味を歪めてはならない。安倍首相が述べたように毅然とした対応をすることが不可欠だ。その政府の対応を支援するためにも、日韓間に請求権協定が締結されており、両国および国民が請求権を放棄したという事実を日本人自身が認識する必要がある。