菅首相の目標実現した接種1日100万回
新型コロナウイルスワクチンの接種が1日あたり100万回を超えた。これにより1日100万回を目指すとの菅首相の目標が実現した。一方、ワクチン承認に慎重な対応を求めていた立憲民主党や共産党などは態度を豹変させ、接種の遅れを批判しているが、そうした〝外野〟の騒音とは関係なく、政府、自治体、企業は懸命に取り組んでいる。
政府によると24日時点で、接種回数が1日100万回を超えたのは6月9日及び15~17日の高齢者や医療従事者向け接種での事だ。
政府は、接種実績の把握にワクチン接種記録システム(VRS)を利用し、専用タブレットで接種券を読み取り、接種した人の氏名やワクチンの種類などを記録しているが、接種後1~2週間分をまとめて入力する自治体もあるため、日数がたつにつれて接種回数のデータが積み増されていく。
このため、例えば9日の接種回数も後になって100万回を超えたことが判明したわけで、公表されている日以外でも実際には100万回を超えていた可能性がある。
ワクチンを担当している河野行革担当相は24日テレビ番組で、システムへの未入力分も含め、1日120万回程度に既に達しているとの見方を明らかにしている。
菅首相は5月28日の記者会見で1日100万回体制が「6月中旬以降にはできてくる」との見通しを示しており、ワクチン接種は菅首相が掲げた目標通り、またはそれ以上に順調に推移していることになる。
ところで、立憲民主党や共産党などの野党は、このワクチン接種について「接種が遅れたのは政府の失策」などと批判してきた。
しかし、野党はそもそも、日本国内での大規模臨床試験の実施を求めるなど、接種について政府に慎重な対応をするよう申し入れていたのだ。
昨年12月に成立した改正予防接種法に「新しい技術を活用した新型コロナワクチンの審査に当たっては、国内外の治験を踏まえ、慎重に行うこと」とする付帯決議が盛り込まれたのも、野党の要望を取り入れたためだ。
9日の党首討論では、立憲民主党の枝野代表の質問に対し「日本は国内治験ということで世界から見れば3カ月遅れている。これは野党からも強い要望があり、そういう中で国内治験をやった」などと述べている。
少なくとも、野党は当初、迅速な接種を政府に求めていたわけではなかったことは事実だ。
接種の開始前には、あたかも国民の健康を第一にするかのように大規模臨床試験の実施を求め、順調に接種が進んでいたにもかかわらず、菅首相が表明した1日100万回に到達していないとみるや、今度はスピードが遅いと批判した。
世論調査などでワクチン接種の加速を求める声や、政府のスケジュールを疑問視する意見が多いのをみて、政府を批判しているのだろうが、ワクチン接種を政権批判に用いる野党のやり方は、今ですら少ない支持をさらに失うことになるだろう。
(terracePRESS編集部)