成果上げた政権の地方創生
安倍首相が1月4日、伊勢神宮の参拝後に年頭の記者会見を行った。新元号の公表について、4月1日に元号を改める政令を閣議決定し、公布すると述べたことなどを新聞なども報じている。
それ以外にも首相は、外交問題についても「冷戦終結とともに始まった平成の30年間に国際情勢は激変した。戦後世界を形づくってきたものが大きく揺れ動いた。こうした変化に真正面から向き合い、私たちの子や孫の時代、次の60年を見据え、日本外交の新しい地平を切り開いていく」などと言及している。
しかし、ほとんど報じられていないだろうが、この会見で首相は、記者からの質問に答え、今後の地方創生について「安倍政権の基本的な考え方は、元気な地方なくして日本の再生なしということだ」と語っている
首相は「農林水産物の輸出が5年連続で過去最高を更新した。それとともに、40歳代以下の新規就農者は、統計開始以来、初めて4年連続で2万人を超えた。正に若い皆さんが農業で頑張ろうという機運が今、醸成されつつあるのは事実だろうと思う」「地方にとって大きなチャンスがある、そう考えた。外国人観光客も今年は過去最高、3000万人の大台に乗り、政権交代前の4倍近くに増えた。ここ三重県を訪れる外国人観光客も7年間で4倍となった。観光立国は全国津々浦々に一大市場、一大産業を生み出しつつあり、地方の新しい活力となりつつあると思う」などと、農業、観光など地方の重要産業に明るい話題が出ていることを紹介。
さらに「もう一つ、地方にとって大切なのは、中小企業・小規模事業者の皆さんだ。正に、この皆さんが地方の経済、日本全体の経済を支えていると言ってもいいと思う」と指摘。「この中小企業・小規模事業者の皆さんの生産性を引き上げていく。支援等を行ってきた結果、中小・小規模事業者の皆さんの倒産も、政権交代前から3割減少し、この四半世紀においては最も少ない倒産件数となっている」など、安倍政権の成果が出ていることを強調した。
その上で今後について「地方からの人口流出の問題について、しっかりと取り組んでいきたいと思う。ポイントとなるのは、近年の傾向として、若い世代を中心に地方移住への関心が高まっていることだ。(中略)東京にあるふるさと回帰センターでも、10年前は相談に来る人の人数、その半数近くが60代以上だったのですが、直近では相談件数自体が10倍以上に増えました。そのことに加えまして、そのうち9割が50歳代以下の現役世代に占められているということだ。まさに地方にこそチャンスがあると考え、地方に飛び込んでいこうとする若者たちが、だんだん出てきている。そのチャレンジを政府として全力で応援していきたいと思っている。この春からはUIJターンによる起業、就業に対して最大300万円支給するなど、かつてない支援策を講じていく」と述べた。
全国メディアにとって、地方創生は地味なテーマであり、日常的に報じることなどほとんどない。しかし、安倍政権が着実に成果を上げていることも事実だ。
地方からの人口流出への対策は、地方にとっては重要な次の一手だ。政権がこうした取り組みを進めている事実こそ、〝拡散〟されるべきだ。