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2021.12.21

オミクロン株など矢継ぎ早に進む対策

新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株が、欧州を中心に猛威を振るう可能性が高まっている。政府は水際対策などオミクロン株対策にも余念がなく、なんとしても食い止めたいという熱意が垣間見える。もちろん、感染症のため先行きに予断は許されるものではないが、矢継ぎ早に進められる新型コロナ対策は国民の支持も得ている。

 

毎日新聞などの12月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は54%となり、11月の前回調査の48%から6ポイント上昇。10月の政権発足直後の49%よりも高い結果となった。新型コロナ対策については「評価する」が46%となり、「評価しない」の26%を大きく上回っている。この対策への評価が内閣支持率の向上につながった形だ。

 

事実、岸田政権はオミクロン株対策を含めたコロナ対策を矢継ぎ早に進めている。例えば1日当たりの新規感染者が9万人を超えた英国のロンドンでは、すでに約8割がオミクロン株に置き換わっているなど、猛威となっている。

 

日本では、こうした事態になるのをなんとか回避するため、政府が、今月末までとしていた、すべての国と地域からの外国人の新規入国を原則停止する水際対策の延長をすでに決定。岸田首相はこの点について「オミクロン株の実態がより明らかになるまで、少なくとも年末年始の状況はしっかり見極めた上で、その先については考えるべきではないか」と述べている。

 

また、政府はコロナワクチンの3回目の接種について、これまで2回目との接種間隔を「原則8か月以上」としていたが、医療従事者や高齢者ら約3100万人を対象に接種間隔を短縮する前倒しも決定している。これもオミクロン株対策の一環だ。医療従事者と、高齢者施設の入所者やデイサービス利用者と職員、病院の入院患者などの間隔を「6か月以上」、その他の高齢者は来年2月から「7か月以上」の間隔となる。

 

政府はすでに、ファイザー、モデルナのワクチン計4100万回を自治体などに配送しており、前倒しの決定に伴い500万回分のモデルナのワクチンを追加配送する方針で「前倒しの対象者の分は、きちんとカバーできる」としている。

 

対策はこのような水際対策、ワクチン接種に限らない。岸田首相は18日、新型コロナの飲むタイプの治療薬を、今月末から医療機関に提供すると表明している。すでに、メルク社の飲むタイプの治療薬「モルヌピラビル」を160万回分確保しており、承認されれば年内に医療現場に届ける方針だ。

 

「モルヌピラビル」が、英国で、世界で初めて承認されたのは11月4日だから、この1カ月間に交渉し、160万回分の治療薬を確保したわけだ。

 

さらに、岸田首相はファイザー社製の同様の治療薬について、ファイザー社CEOと直接電話会談し、200万回分を確保することで基本合意している。納入時期を含めた最終合意に向け交渉を続けるという。

 

飲む治療薬は国内でも塩野義製薬などが治験を進めており、順調に進めば承認後、来年3月までに100万人分を用意する見込みだ。

岸田政権はオミクロン株対策でも矢継ぎ早に対応しており、こうした政府の対応は率直に評価されるべきだ。

 

(terracePRESS編集部)

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