あり得ない玉城知事の「ゼレンスキー」です
沖縄県の玉城デニー知事の「ゼレンスキーです」発言。冗談とはいえロシアが侵略しているウクライナのゼレンスキー大統領のみならず、生命・財産を守るために必死で抵抗しているウクライナ国民を冒涜するものだ。こんなところにも、現実社会を見ないお気楽な玉城知事の資質が表れている。
問題発言が出たのは5月25日に沖縄県庁で開かれた米軍基地問題に関する有識者会議。会議に出席した際「(ウクライナ大統領の)ゼレンスキーです。よろしくお願いします」と挨拶、その直後に「すいません。冗談です」と釈明した。
玉城氏はその後、記者から発言の真意を問われ、「席に着く時に、たまたまゼレンスキーさんの話をしていたので、別に他意もなく『ゼレンスキーです』と言って座ったんですけれども。ウクライナのその状況を、私が軽んじているということは毛頭ありません。ですから、もしそのように誤解を招く発言であったということについては、本当におわびを申し上げたいと思います」と説明している。
しかし、発言自体は「誤解を招くものだった」と取り消すことができたとしても、その誤解を招く発言をした玉城知事の政治家としての資質のなさや政治センスのなさが明らかになったことは、決して取り消すことはできない。
戦争、それも一方的に侵略した国と命をかけて戦っているゼレンスキー大統領のことを引き合いに出してジョークにするということは決して許されないことだ。そして、そのジョークを放った場は「米軍基地問題に関する有識者会議」だ。
玉城知事の看板政策は、米軍普天間飛行場の返還を実現するための辺野古の代替施設の建設反対だ。玉城知事に聞けば「命をかけて反対している」というだろうが、その基地問題を話し合う場でジョークを飛ばして、ウケを狙ったのだ。
ウクライナ情勢だけでなく、アジアでも国際的な緊張感は増している。沖縄県である尖閣諸島の領海にはたびたび中国海警局の船舶が侵入。日本周辺では中国とロシアの爆撃機が共同飛行したり、北朝鮮はたびたび日本海に向け弾道ミサイルの発射訓練を行ったりしている。
そして、その北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイルの発射に対する国連安全保障理事会の北朝鮮への制裁強化決議案は、中国とロシアが拒否権を行使し否決されている。
玉城知事は、そうした日本の安全保障をめぐる環境の厳しさを理解できていないのだろう。だから、米軍基地について議論する会議で「他意もなく」ジョークを飛ばせるのだ。
先ごろ行われた岸田首相とバイデン米大統領の首脳会談では「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である辺野古における普天間飛行場代替施設の建設」を確認している。辺野古の施設の建設が普天間飛行場の返還の唯一の解決策であることは間違いない。だからこそ、一刻も早く建設し、それによって普天間飛行場の返還を実現しなければならない。
もちろんその一方で沖縄県の基地負担を軽減していかなければならないことも事実。首脳会談でも「米海兵隊部隊の沖縄からグアムへの移転を含む、在日米軍再編を着実に実施」も確認している。
いずれにしても、「ゼレンスキーです」と堂々と言い放つ玉城知事は、政治家として資質に欠けると断ずるしかないようだ。
(terracePRESS編集部)