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2022.07.07

岸田内閣が「スタートアップ支援」担当閣僚を新設

政府が、スタートアップ(新興企業)の支援を強化するため、担当閣僚を設ける方針だ。ベンチャー、スタートアップなど呼び方は異なっても、政府はこれまでも新興企業の支援を行ってきたが、担当閣僚を設けるのは初めてだ。新産業創出に向けた岸田政権の強い決意と言える。

 

スタートアップは、新しいアイデアなどをビジネスにし、短期間で急成長を遂げることを目指している小規模な企業のこと。明確な定義はないが、フェイスブックのように急速に成長することを追求していると考えればよいだろう。

 

ひと頃は日本でも大学ベンチャーなどが注目されたが、スタートアップ企業にしろ、ベンチャー企業にしろ、日本では資金調達が困難なのも実状だ。

ベンチャーキャピタルによる投資額は2021年で米国が36兆円に達しているのに対し、日本は0.23兆円に過ぎない。

そうした状況の中で、日本のスタートアップやベンチャーは資金調達を縁故に頼るしかなくなっているとさえ言われている。

 

こうした中で、岸田政権の「新しい資本主義」では、「イノベーションを促進するには、①スタートアップの創業促進と、②既存大企業がオープンイノベーションを行う環境整備、の双方が不可欠」とし、「スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進」を柱の一つとして掲げている。

 

その上で「スタートアップの育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決する鍵である」と指摘。続けて「実行のための司令塔機能を明確化し、新しい資本主義実現会議に検討の場を設け、5年10倍増を視野に5か年計画を本年末に策定する」としている。

 

その「司令塔機能」が新しい担当閣僚ということになるわけで、各省庁の連携などが進むと期待される。

 

参院選では、未来を見据えた産業政策も問われている。自民党は「起業(スタートアップ)への資金供給、基金化等による研究開発・事業化、人材育成、SBIR(スタートアップ等の研究開発を支援し、その成果を政府が調達する支援制度)や公共調達等の支援を抜本強化」「Deep Tech(社会や産業構造を変革しうる革新的技術)等を生み出すスタートアップ・エコシステムを司令塔創設等により抜本強化し、国内スタートアップへの投資額を5年で約10倍(約10兆円)に」「寄付制度の改善などを通じ、社会的企業(ソーシャルベンチャー)を支援」などとスタートアップの支援を盛り込んでいる。

これに対し、立憲民主党は「新産業やベンチャー企業の創出に向けた人材育成を進めるとともに、投資減税などにより、第4次産業革命(IoT、ロボット、人工知能、ビッグデータ、自動運転等)や最先端の技術革新などを後押しする研究開発、生産性向上に係る支援を拡充」とあるだけで、スタートアップを創出し産業を活性化し、経済を拡大するという方向性は見受けられない。

 

岸田首相は今年を「スタートアップ創出元年」と銘打っている。スタートアップ、ベンチャー支援は、〝古くて新しい〟話しだが、スタートアップ育成は「日本経済の成長を促し、社会的課題を解決する意味でカギとなる」(木原官房副長官)だけに、岸田政権への期待は高まっている。

 

(terracePRESS編集部)

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