民主政権=悪夢はまごうことなき事実
安倍首相が5月9日、都内で行われた二階派のパーティーの挨拶で、夏の参院選に関連し、民主党政権を悪夢と発言、これに対し、民主党を源流とする立憲民主党などから反発する声が上がった。安倍首相の「民主党政権=悪夢」発言は過去にもあったが、民主党政権が日本にとって悪夢だったことは、まごうことなき事実。悪夢のような時代だったからこそ、国民の支持を失ったのだ。
安倍首相はパーティーで「統一地方選挙と参議院選挙が重なると、なかなか自民党は大変であり、12年前の参議院選挙は大敗した。あれからねじれ国会になって政治が安定性を失い、民主党政権が誕生して混迷を極めたのは事実だろう。再びあの混乱を起こすことがないよう、あの悪夢が再び舞い戻ってくることがないよう、しっかり勝ち抜いて、政治の安定のもとに誇りある日本をつくっていきたい」などと述べたという。
これに対し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は「いささか大人げない。安倍政権が若干、袋小路に入っているのかなと感じざるを得ない。我々の時は悪夢だったか悪夢でなかったのかという、くだらない議論はやめにしたい」などと批判している。
福山氏は「くだらない議論はやめにしたい」ようだが、果たして民主政権が悪夢のような失政を重ねたのか、そうでなかったのかを議論することがそれほどくだらないことなのだろうか。
民主政権の最大の問題は、実現不可能なことを公約に盛り込み、また経済政策も的確ではなかったうえ、東日本大震災対応もうまくいかず、外交も停滞するなどして、結果として有権者を裏切ったことだ。
もちろん、政党のマニフェストには実現できないことが盛り込まれることもあるだろう。しかし、重要な点でことごとく実現ができなかったことは隠しようのない事実だ。ガソリン税暫定税率の廃止、高速道道路の無料化、八ツ場ダムの廃止、沖縄・米軍普天間飛行場の移転先は最低でも県外、年間31万2千円の子供手当て、16兆8000億円の財源はある、などなど民主党政権では実現しなかったことのオンパレードだったのだ。
そして、現在有権者が問いたいのは、民主党を源流とする立憲民主党や国民民主党は、その反省をし、同じ轍を踏まないような政党に生まれ変わっているのか、否か、なのだ。
福山氏は「民主党政権の時に評価される政策も多々あり、野党にいた当時の自民党からすれば悪夢だろう」などと語っているうえ、参院選目当てだけの野党共闘を進める野党の状況を考えれば、立憲民主党も国民民主党も民主党政権時代となんら変わっていないのだろう。
(terracePRESS編集部)