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2019.07.08

「安定」「着実」か、「混乱」か。有権者は選挙に何を求めるべき?

参院選がスタートした。野党は年金の〝老後2000万円不足問題〟などを現在の安倍政権の失政と位置づけ、懸命に有権者にアピールしているが、批判ばかりで現実的な政策は示すそぶりさえみせない。

選挙で問われるべきことは、経済から防災まで私たち国民の生活を安定させ、安心できるような政策を掲げているか否かだろう。

 

日本の有権者は民主党政権時代に大きな迷惑をこうむった。当時の民主党は、それでも現在の立憲民主党や国民民主党よりも〝政策〟を前面に打ち出した。しかし、その政策はことごとく現実性に乏しいものだったが、有権者はそこを見抜けないまま、民主党に政権を委ねた。

 

しかし、その結果はどうだっただろう? 国民との約束は次々に破られ、有権者はそんな民主党に失望し、結局、選挙での大敗、そして自民党の政権復帰、安倍政権の誕生という道筋をたどったのだ。

 

政権を担当したという経験を背景に、日本でも野党が真正面から与党に政策論議を挑む時代になるかと思ったら、その民主党は分裂し、立憲民主党と国民民主党は醜い主導権争いに奔走し、結局のところ、政権批判だけを繰り返している。

年金問題などはその典型だ。金融庁の審議会の報告書に「老後は2000万円不足する」と書いてあること政権批判のツールに使うだけで、国民に代わりの政策を示すことはしない。政権を担うという準備も気概もないのだ。

衆院解散がないと判断すれば、途端に内閣不信任案を出したのも、そのためだ。

 

参院選では一人区を中心に、野党共闘を実現し、与党に対抗しようという姿勢は見せているが、それも選挙が終われば、元のバラバラの野党に戻るだけだ。

 

もちろん、参院選は政権選択の選挙ではない。だからといって、実現可能性が乏しく、有権者受けするフレーズだけを連呼すればよいというものでは決してない。

 

「家計のために消費増税を凍結する」。そう声高に叫ぶのはいいが、幼児教育の無償化をどうするのか、財源をどう手当てするのか、国債を発行するならツケを将来の国民に回すのか、そんな基本的なことへの回答ぐらいは用意すべきだろう。その用意すら国民に示さないのが参院選に臨む野党の現実だ。

 

選挙の結果は、私たち国民の生活に直結する。日本は民主党政権後に必死になって社会を立て直してきたことを忘れてはいけない。

政権批判の単なるスローガンに踊らされると、それはブーメランとなって私たちの生活を直撃することになる。

 

(terracePRESS編集部)

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