国の基本法を議論するのが今の政治家の責務

今回の国会は第200回を迎える節目の国会となった。これまでの国会の数々の審議や論戦を経て、今こそ国会の責務が問われることになる。

その200回国会の所信表明演説で安倍首相は冒頭、こう述べている。「昭和、平成、そして令和。70年余りの間に、世の中は、世界は、一変した。新しい時代を迎え、その変化のスピードはますます加速していく。そうした中にあっても、先人たちから受け継いだ、我が国の平和と繁栄は、必ずや守り抜いていく。そして、新しい令和の時代にふさわしい、希望にあふれ、誇りある日本を創り上げ、次の世代へと引き渡していく。その責任を、皆さん、共に、果たしていこうではありませんか」と。

 

私たちが今やるべきことは、首相が述べたように、日本の平和と繁栄を守り、そして次世代へと引き継ぐことだろう。

 

この70余年前、今の社会を想像した人が果たしてどのくらいいたことだろう。「もはや戦後ではない」との一節が書かれた経済白書がまとめられたのは1956年。63年前だ。70年前となると、日本の経済的発展に期待した人はいただろうが、世界的な経済大国になることを予想した人は少なかったはずだ。まだまだ、今日より明日、明日より明後日の生活が少しでも良くなればいいと思っていたに違いない。

ましてや、経済的な成功とともに、国際的にも重要な地位を占める国になるとは、想像すら難しかったはずだ。

 

さらに、米ソ冷戦構造が深刻化したのち、東側諸国が崩壊。その一方で中国が経済的にも、軍事的にも大国化するとともに、北東アジアの安全保障が不安定化する恐れがあるなどと時代の推移を予見できた人もいないだろう。

また、今の社会が少子高齢化という一朝一夕には解決できない大きな課題が立ちはだかっていることも同様だ。

 

しかし、そのようなことを予見できなかったにしても、70余年前の人たちは、戦後の復興を経て日本を豊かな国にするという理想に果敢に挑戦してきたのである。

 

首相は所信表明の「おわりに」で、「今を生きる私たちもまた、令和の新しい時代、その先の未来を見据えながら、この国の目指す形、その理想をしっかりと掲げるべき時だ。現状に甘んずることなく、未来を見据えながら、教育、働き方、社会保障、我が国の社会システム全般を改革していく。その道しるべは、憲法だ。令和の時代に、日本がどのような国を目指すのか。その理想を議論すべき場こそ、憲法審査会ではないだろうか。私たち国会議員が二百回に及ぶその歴史の上に、しっかりと議論していく。皆さん、国民への責任を果たそうではないか」と呼び掛けている。

 

日本の内外環境は70余年前から激変しているのだ。それでも旧来仕組み、旧来の体制で良いというのは政治家の怠慢としかいうほかはない。社会を変える、そして新しい時代にふさわしい憲法という国の基本法を議論するのは、今の政治家の責務だ。

 

(terracePRESS編集部)