〝嘘つき〟にはめられた安倍首相
国政課題が山積している中で、立憲民主党などは相も変わらず、少しでも安倍首相批判しようと「桜を見る会」を取り上げている。4日には衆院予算委員会で、桜を見る会の前日に開かれた安倍首相の地元後援者向け夕食会に絡んで、立憲民主党の黒岩宇洋氏と激しい論戦があった。
メディアは安倍首相が黒岩氏を「うそつき」と非難したと、これまた首相を批判するようなニュースに仕立てているが、これは実際のやり取りをみると様相が違う。
そもそも、この問題は、黒岩氏が以前、首相後援会の前夜祭の会費が5000円だったことについて、高級寿司店「銀座久兵衛」の寿司がふるまわれたことを根拠に「嘘」と決めつけたのが発端だ。この際も、それをそのままTBSやテレビ朝日が情報番組で取り上げ、まるで5000円の会費だったとの首相の説明を嘘というかのような報道を繰り広げたのだ。
しかし、実際は、久兵衛が寿司を提供したことを否定。すると、この寿司問題は急速に話題にならなくなった。
野党と言えば普段は「国政調査権」「国政調査権」と振りかざして、応えるのが義務などと叫んでいるが、寿司店が前夜祭に提供したか否かを確認するという基本的なことすらしないまま、ウソ情報を垂れ流したのだ。
4日の予算委では、黒岩氏が首相に助言した秘書官を指さして「ちょっとそこ!」などと大声で怒鳴ったことに対し、首相は冷静に「言葉を荒げて、その秘書官に対して怒鳴るというのは、私は人間としてどうなのかな、とこう思うわけでございます」などとたしなめている。
その後、首相は、久兵衛の寿司提供で嘘をつかれたことに腹を据えかねたのだろう、「そもそも黒岩議員、これ何度も繰り返しますが、写真を出して久兵衛の寿司を使ったと…。これはですね、これは小さいことではなくて、一人数千円の積算根拠になるわけでして、それがまるで事実でないのに、事実であるかのような流布を行なったということに、国会議員として少しは責任を感じられた方がいいのではないかと、ここでは申し上げておきたいと思います」と述べている。
その後、黒岩氏が「総理、なに人を嘘つき呼ばわりしているんですか」「私が今申し上げたのは、「嘘つき」と言ったその総理の発言を撤回していただきたい」と詰め寄っている。
実は、ここまでのやり取りの中で首相は黒岩氏を「嘘つき」と断じてはいない。「真っ赤な嘘をついたことは認めたほうがいい」などとは言っているのだが、「嘘つき」とは言っていなかった。
黒岩氏が「嘘つきと言ったことを撤回しろ」などと「嘘つき」という言葉を使ったのだ。
それに対し、首相が「久兵衛については嘘つきだと思います。これははっきりしています」と、黒岩氏が用いた言葉を使って答弁しただけなのだ。
しかし、メディアなどでは、あたかも首相が黒岩氏を「嘘つき」と積極的になじったかのように報じられてしまったのだ。
これはもはや、「嘘つき」議員にはめられたというしかない。
(terracePRESS編集部)