続・緊急事態を理解できない人々
小・中・高校の休校要請など新型コロナウイルスに対する政府方針について、国会で議論が行われているが、野党からはトンデモ質問が相次いでいる。野党にはそもそも現在が緊急事態という認識が乏しく、政権批判だけすればよいということなのだろう。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は2日に見解を公表している。それでは「この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられる。なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられる」としている。
要するに、若年者は感染しても症状が軽く、その若年者から中高年層に感染が拡大する恐れがあるということだ。
実際、北海道では同じ小学校の児童が発症しているケースもあるが、仮に症状が比較的軽度な子どもたちから中高年に感染すれば、その中高年が重症化する恐れがあったり、さらに感染が拡大したりする可能性も否定できないだろう。
だからこそ、安倍首相は学校の休校要請をしたのだが、野党はそんなことでは納得しない。2日の参院予算委でも、立憲民主党の斎藤嘉隆氏が萩生田文部科学相に「休校要請を知ったのはいつか」と質問。文科相が「要請した2月27日だ。午前中から断続的に打ち合わせし、夕方の会議で発表すると承知した」と答弁すると「場当たり的な対応だ」と断じている。
緊急事態における対応は、まさに「緊急対応」なのだが、確かにそれは「場当たり的」なのだ。即断即決をすることは、言葉を換えれば「場当たり的」となるが、それがまさに緊急時に求められることだ。
もっと驚くのがやはり立憲の蓮舫氏だ。蓮舫氏の「政府対応はひと月半、本当に全てが後手後手」との指摘に対して、首相が「関係閣僚会議を開催し、対策を検討して決定した」と答弁すると、今度は「政府対応が変わっている」と問い詰めたのだ。
そもそも緊急事態だから、対応が変わることは当たり前なのだ。状況に合わせて変えていかなければ、まともな対応ができない。コロナウイルスへの対応は、当初、水際での防止で国内での感染者をいかに少なくするかに力点を置いていた。
しかし、国内で市中感染が発生するような段階になったため、現在はクラスターの発生防止に切り替わっているのだ。もちろん学校の休校もその一環だ。
そのように対応方針も変わるのが当然だ。もし一度決めた方針を後生大事に守れというのなら、ウイルスという見えない敵への対応などできるはずもない。
医師の高須克弥氏がツイッターで「桜を追及する時期にコロナ肺炎ウイルスの侵入阻止の議論をすべきでした」「今は一致団結して感染拡大に全力を尽くす時期です。追及は全てが終わってからにしていただきたい」とつぶやいているが、立憲民主党などの野党は、批判からは何も生み出さないことを知るべきだろう。
(terracePRESS編集部)