「景気腰折れ懸念」でも安定している雇用環境
新型コロナウイルスによる景気への各影響が懸念されている。安倍政権はすでに大型経済対策を盛り込んだ約3兆1000億円の2019年度補正予算で景気の下支えを行う方針だ。仮にさらに悪影響が出てれば、一層の対策が必要になるのかもしれない。
とろこで、新型コロナウイルスとは関係なく、2019年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値が、物価変動の影響を除く実質で前期比1.6%減だったことから、一部のメディアなどが書き立てたことで、世の中には急激に景気の腰折れ懸念が出た。台風19号の被害や消費税の増税が影響したとされているが、実際は1月になっても雇用情勢は安定している。
総務省が公表した2020年1月分の労働力調査によると、「就業者数」は6687万人。前年同月に比べ59万人増で、85カ月連続の増加となった。企業などに雇われている「雇用者数」は6017万人で、64万人増加。こちらも85カ月連続の増加となっている。
また、注目すべきは「正規の職員・従業員数」で、総数が3516万人。42万人増で、4カ月連続の増加となった。一方、非正規の職員・従業員数は2149万人で、こちらは5万人減で、28カ月ぶりの減少となっている。
さらにみれば、完全失業者数は159万人で7万人の減少。3カ月連続の減少で、「勤め先や事業の都合による離職」、「自発的な離職(自己都合)」、「新たに求職」がそれぞれ減少している。
完全失業率は2.4%と0.2ポイント上昇しているが、これは労働力人口、つまり15歳以上の人口のうち、働いている人と働く意思のある人を合わせた数が増えているからだ。雇用環境が良くなっているため、働く意思を持っている人が増えているのだ。
以上のことをみれば、確かに2019年10~12月期のGDP速報値は悪化したが、1月に入っても雇用環境は安定的に推移していることが分かるだろう。中でも非正規の職員・従業員が減少しているのだ。これらは、まさにアベノミクスの成果だ。
もちろん、今後懸念されるのは新型コロナウイルスによる景気への悪影響だ。観光業、飲食業などさまざまな業種で悪影響が懸念されている。
1月の労働力調査もコロナウイルスが心配される以前のことで、今後、雇用環境にも影響する恐れがある。
安倍政権によるアベノミクスは日本経済にとって、また国民1人1人にとって確実に恩恵をもたらしてきた。この難局を乗り切れるのもまたアベノミクスなのだろう。
(terracePRESS編集部)