もううんざりの森友問題
朝日新聞が先ごろ「森友学園への国有地売却問題で、大幅な値引きの根拠となった地下のごみの深さについて『3.8メートルまで』に存在する証拠とされた写真が、実際には『3メートルまで』を計測していた疑いがあることが分かった」と報じた。
これに対し、共産党の志位委員長が記者会見で「次の国会でも重要な課題に据え、引き続き追及していく」と述べるなど、野党は24日に召集される臨時国会でも取り上げる構えだという。
この問題は、学園側が深さ3.8メートルの深さまでごみの層があるとした報告書をまとめ、それを受けて国が、当初想定していた深さ3メートルよりも下からごみが見つかったとして、ゴミを撤去する対象面積や混入率から撤去費用を算出したという根拠が崩れるという話だ。
森友問題では籠池泰典氏夫妻が、大阪地検特捜部に詐欺の容疑で逮捕されたことを忘れてはならないし、通常国会でも延々と議論され、ゴミ撤去費の算定などに安倍首相、安倍夫人が関与した形跡がないことは明らかになっていることも忘れてはならない。それでも再び臨時国会で取り上げられるとは「もううんざり」と思う人も多いだろう。
野党とすれば、何らかの形で安倍政権に打撃を与えるのが目的であり、そういう意味では、国会という場を自分たちの都合のために使っているということになる。それでは国民の負託を受けている政治家として正しい姿勢とは決して言えない。
臨時国会では、外国人材の受け入れを拡大するための出入国管理法などの改正案などが審議されるほか、総額9356億円で災害復旧や学校の安全対策を盛り込んだ第一次補正予算も提出される。災害復旧など被災者に直接関係することも多い。国民は安全で安心できる生活の実現を政治家に望んでいるのであり、森友学園問題をめぐる応酬ではないだろう。
朝日新聞が16日付け朝刊に掲載した世論調査結果によると、立憲民主党の支持率はわずか6%、国民民主党は1%でしかない。これは両党が国民目線から遊離しているからにほかならない。「国民目線ではない」などというのは、野党の常套句だが、実は国民に目が向いていないのは野党なのだ。