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CATEGORY経済

2020.12.10

「グリーン社会」実現に一歩踏み出した経済対策

菅政権が、事業規模73.6兆円に達する追加経済対策を策定した。菅政権では初の経済対策で「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」と名付けられている。経済対策としては、4月7日に策定、同20日に一部変更した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に続くもので、前回の対策同様、「新型コロナの拡大防止」「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」「防災・減災、国土強靱化の推進」の三つを柱としている。

 

国民からみると、前回4月の対策と比べ大きく異なるのが個人に一律10万円を支給した「特別定額給付金」が姿を消したことだろう。しかし、前回は日本が新型コロナという未知の感染症に直面し、緊急事態宣言も発令されるという〝異常事態〟にあった。

現在は、マスクや手洗いの徹底、3密や感染リスクが高まる「5つの場面」の回避などウィズコロナという新しい生活様式が定着し、経済活動も前回状況よりは行われている。

ウィズコロナが日常となった中では、「特別定額給付金」のような施策は見送り、より支援を必要とする人々への施策を実施すべきだろう。

 

実際、今回の対策では、ひとり親家庭への支援を強化し、低所得のひとり親世帯に対し、年内を目途にひとり親世帯臨時特別給付金を再支給したり、困窮する学生生徒の修学支援を拡充したりする。

また、生活困窮世帯への緊急小口資金・総合支援資金の特例措置の申請期限の延長や自殺相談体制の強化等を行う都道府県などの取り組みを包括的に支援する交付金を創設するなど、さまざまな生活支援策が盛り込まれている。

 

今回の対策で最も注目すべきなのは、今後の日本の経済成長への展望で、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする2050年カーボンニュートラルの実現に向けた挑戦は、我が国の『新しい成長戦略』であり、グリーン社会の実現のために、本経済対策でまずは政府が環境投資で一歩大きく踏み込む」と謳っている。

その上で、「『脱炭素社会』『循環経済』『分散型社会』への3つの移行により、経済社会をリデザイン(再設計)し、グリーン社会を実現していくため、新しい需要を創出し、経済社会の変革を図る」との考えも示している。

 

日本は近年、長期間にわたり直面してきたデフレからの脱却が至上命題となっていた。アベノミクスは金融、財政などを軸としてデフレからの脱却を目指し、実際、デフレ状況ではなくなったが、だからこそ、中長期的な日本の成長戦略や方向性は示されていなかった。

 

菅政権は「グリーン社会」の構築を日本が成長する源泉と明確に示し、そのために「脱炭素社会」「循環経済」「分散型社会」という経済社会を作るという強烈なメッセージを示しているのだ。

 

新型コロナの感染防止は現在の日本にとって極めて重要だ。しかし、子供の世代、孫の世代により良い日本社会を作ることも現世代の責務であることは間違いない。菅政権は今回の経済対策でその方向性と、一歩踏み出すためのさまざまな施策を示したといえる。

 

(terracePRESS編集部)

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