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CATEGORY経済

2020.12.22

国民も協力し4%成長の実現を

政府は先ごろ、2021年度の経済成長率について実質国内総生産(GDP)を4%とする「政府経済見通し」を策定した。足元では新型コロナウイルス感染症の拡大が続いているが、4%成長を実現させるため早期に感染拡大に歯止めをかけ、経済活動の活性化を図る必要がある。そのためには政府はもちろん、国民の協力も不可欠となる。

 

経済見通しによると、2020年度は、新型コロナの影響が直撃し実質成長が5.2%程度のマイナス、名目が4.2%程度のマイナスとなる見込みだ。寄与度をみると、財政支出による公需こそ0.9ポイントのプラスとなったが、民需が4.9ポイント、外需が1.2ポイントそれぞれマイナスとなった。厳しい状況の中で、財政支出だけが経済の下支えになったわけだ。

 

21年度については、経済対策の実施による公的支出で経済を下支えしながら、民間需要を喚起し、その民需が自律的な回復をする中で、実質で4.0%程度、名目で4.4%程度の成長となる。その結果、「年度中には経済がコロナ前の水準に回帰することが見込まれる」としている。

中でも、「民間最終消費支出」については「感染拡大防止と社会経済活動の両立が図られ、雇用・所得環境の改善が進む中で、総合経済対策の効果もあって、増加する」としており、対前年度比 3.9%程度のプラスを見込んでいる。以上の結果、「年度中には経済がコロナ前の水準に回帰することが見込まれる」との見通しを示している。

 

菅首相も18日に開かれた経済財政諮問会議で「来年度中に、経済がコロナ前の経済水準までに回復することになる。中でも、先日決定した経済対策は、直接の経済効果として、GDP(国内総生産)に換算して3.6%程度見込んでおり、これを早期に実施していくことが重要だ。併せて、賃上げの流れを継続し、民間需要を喚起していく必要がある」と述べている。

 

民間のシンクタンクなどでは来年度の経済見通しを3.5%程度とし、政府見通しとの乖離があるところが多いが、それらが追加経済対策の規模を正確に織り込んでいないための乖離と考えるのが適切だ。

 

しかし、そうだとしても、政府経済見通しは「積極的」な見通しとなっている。例えば、懸念材料として挙げられるのが来春闘だ。連合は来春闘で2%程度のベアを求める方針を示しているが、すでにベアゼロも容認する労組も出ている。

もちろん、業績が大幅に落ち込んだ企業や産業の場合はベア見送りを容認することも仕方ないが、業績に余裕のある企業は積極的にベアを実施することが必要だ。このため、政府も積極的に経済界に働きかけ、ベアの実施を求める必要がある。

 

4%成長を実現させるためにはもちろん、新型コロナが一定程度落ち着いていることが必要だ。菅政権には、感染対策を強化させながら経済を回すという難しいかじ取りが求められる。

(terracePRESS編集部)

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