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2021.09.02

厚労省、新型コロナで過去最大の予算要求

厚生労働省は先ごろ、一般会計総額が33兆9,450億円に上る令和4年度予算の概算要求をまとめた。前年度当初比8,070億円、2.4%増の過去最大となったが、新型コロナウイルスの感染状況次第では、さらに膨らむ可能性もある。コロナ患者の病床確保支援を盛り込んだが、病床確保には資金的な手当以外の別の手法も求められそうだ。

 

同省の要求は ①新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靱な保健・医療・介護の構築②ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現③子どもを産み育てやすい社会の実現④安心して暮らせる社会の構築の4つを柱としている。

 

新型コロナ関連では「新型コロナウイルス感染症から国民を守る医療等提供体制の確保」に56億円、「検査体制の確保、保健所・検疫所等の機能強化、ワクチン接種体制の構築」に29億円、「ワクチン・治療薬等の研究開発の推進」に19億円、「研究開発体制の強化等」に737億円、「医薬品・医療機器等の開発促進等」に113億円を要求している。

 

この中でも、特に国民の関心が高いのは「新型コロナウイルス感染症から国民を守る医療提供体制の確保」だろう。要求では「医療機関への支援」として「感染症患者を受け入れる医療機関に対する病床確保等のための支援について、今後の対応の在り方を検討し、実施する」として事項要求となっており、具体的内容については、今後の感染状況を踏まえ、予算編成過程で検討することとなっている。

 

今後、病床確保のための医療機関の支援をめぐる財政措置が決定されていくのだろうが、病床確保のためには支援金的なものだけでは不十分なことは、今回の医療の逼迫をみれば明らかだ。

 

厚労省は、新型コロナ対応で新たに病床を確保した医療機関に1床当たり最大1,950万円を補助しているが、それでも、東京都では確保病床数と病床使用率の乖離が大きいという事態になった。これは確保した病床が実際に利用されないということがあったことになる。

問題なのは、病床対策が補助金を出しながらもほとんどが協力を〝お願いベース〟で行わざるを得ないことだ。

 

その点について同省は今回の要求で「感染症患者を受け入れる医療機関に対する病床確保等のための支援について、今後の対応の在り方を検討し、実施する」としたわけだが、病床確保のために実効性のある方策が必要だ。

 

なんらかの〝強制的〟な措置が必要かもしれないし、医師や看護師の人員確保のためには、これまでにない方策が必要かもしれない。もちろん、医療の逼迫が起こらないような感染対策が重要であることは間違いない。しかし、日本では感染者が欧米に比べて格段に少ない現実を考えれば、医療体制さえ確保していれば、国民に大きな安心を与えることができるのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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