児童虐待防止の対策を強化する安倍政権
安倍政権が児童虐待防止対策を強化させる。千葉県野田市の小学4年栗原心愛(みあ)さんが死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件を受け、安倍首相は、先ごろ開いた児童虐待防止対策関係閣僚会議で「痛ましい虐待事件を繰り返してはならない」と強調、児童虐待防止に向けて1カ月以内に全ての虐待事案の緊急安全確認をするなどの新しい対策を取りまとめた。
閣僚会議で首相は「今回、心愛さんからは、必死の思いでSOSの声が発せられていた。幼い女の子が、どれだけ勇気を振り絞って、あの訴えをしたのかと思うと、本当に言葉を失う。子供たちを守る砦となるべき、学校、教育委員会、児童相談所や周りの大人たちが、心愛さんの悲痛なSOSの声を受け止めてあげることができなかった、幼い命を守れなかったことは本当に悔やんでも悔やみきれない思いだ」と、出席した閣僚に思いを投げかけた。
新たな対策では、児童相談所で、在宅で指導している全ての虐待ケースや、全国の公立小中学校・教育委員会などで今回のような虐待が疑われるケースについて、それぞれ1カ月以内に緊急的に安全確認する。
また、保護者が虐待を認めない場合、家庭訪問や子供と会うことを拒む場合、転居を繰り返すなど関係機関との関わりを避ける場合はリスクが高いものと認識し、躊躇なく一時保護、立入調査を行うなど的確な対応をとることとしている。
また、保護者に虐待を告知する際には子供の安全を第一に考えると同時に、通告者保護の観点から、通告元は明かせない旨を保護者に伝えることを徹底する。子供の安全が確保されない限り、子供からの虐待の申し出などの情報元も保護者に伝えないようにする。
さらに、今回の事件の反省を受け、学校、教育委員会などによる虐待通告に関し、保護者が威圧的な要求や暴力をふるうといったことが予想される場合は、学校、教育委員
会は児童相談所や警察などの関係機関と速やかに情報共有し、連携して対応するという。
このほか、2019年度に児童福祉司を約1000人増員することも掲げた。
これまで安倍政権は児童虐待防止対策を進めており、昨年7月には「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」も策定している。
しかし、残念なことに、緊急総合対策も現実の社会に追いついておらず、不幸にも今回の事件を防ぐことができなかったのも事実だ。
安倍政権はこの点を反省して、「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」のさらなる徹底・強化として、今回の対策強化を打ち出した。
首相は関係閣僚会議で「各大臣においては、子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、やれることは全てやるという強い決意で、児童虐待の根絶に向けて、引き続き検討し、総力を挙げて取り組んでください」と要請している。
(terracePRESS編集部)