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2022.07.20

コロナ第7波に冷静な対応とる岸田政権

新型コロナウイルス感染症は1日あたりの新規陽性者数が過去最多になるなど、第7波の様相が明確になっている。しかし、コロナワクチンの接種が進んでいることなどで重症化率は低く、病床も逼迫する状況となっていない。政府は昨年11月に策定した感染対策の全体像に基づいた体制強化を進めており、現時点では「行動制限」も必要としない。

 

岸田首相は14日の記者会見で、新型コロナ対策について「新型コロナの感染が全国的に拡大しており、若者を中心に、全ての年代で感染者が増えている。新たな変異種BA.5への置き換わりが進む中で、更なる感染拡大に最大限の警戒が必要」と述べ、警戒感を示した。

しかし、その一方で「政府、自治体では、こうした状況が起こり得ることを想定し、強化してきた医療体制を維持している。感染者数は増えているが、今のところ重症者数や死亡者数は低い水準にある。病床使用率も、上昇傾向にあるが総じて低い水準だ。政府としては、病床の確保、高齢者施設における療養体制の支援、検査体制の強化、治療薬の確保など医療体制を維持・強化しながら、引き続き最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取組を段階的に進める」と述べている。

 

最大限の警戒をしながらも経済活動を維持、拡大することで社会経済活動と感染拡大防止の両立を図る方針だ。

 

岸田政権が昨年11月に策定した新型コロナ対策の全体像では、入院を必要とする人が確実に入院できる体制や、全ての自宅・宿泊療養者に陽性判明当日ないし翌日に連絡をとり、健康観察や診療を実施できる体制を確保することを決めており、現在はこうした体制やワクチンの3回目接種の要請や、4回目接種の対象拡大などで第7波に対応する方針だ。

 

こうした全体像に基づいた体制の強化やワクチン接種などで今回は重症者の発生率が低くなっており、新たな行動制限などを検討しないのは当然だ。

 

しかし、だからと言って、政府が今後とも行動制限をしないということではないだろう。コロナ対策の全体像では「医療のひっ迫が見込まれる場合、国民に更なる行動制限を求めるとともに、国の責任においてコロナ以外の通常医療の制限の下、緊急的な病床等を確保するための追加的な措置を講ずる」としている。

 

こうしたメリハリのきいたコロナ対策を実施しようというのが岸田政権なのだが、こうしたある意味〝余裕のある対応〟ができるのは、これまでしっかり準備をしてきたからにほかならない。

 

もちろん政府だけでなく、日常生活や経済活動での感染防止への民間の取り組み、医学界の科学的な知見の積み重ね、医療体制の強化などの自治体の取り組みなど、日本全体の対応力が強化されたということでもある。

 

新たな変異種BA.5は感染力が強いと言われている。そうした中で、新たな行動制限を避けるためには、政府や自治体、民間の連携が一層求められる。

 

(terracePRESS編集部)

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