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2022.07.19

「国葬」の理由すらねじ曲げる共産党

政府は、参院選の街頭演説中に不合理な凶弾に倒れた安倍元首相の葬儀を「国葬」として行うことを決めた。これについて共産党やれいわ新選組、社民党が反対を表明した。いうまでもなく安倍元首相は歴代最長となる8年8カ月にわたり首相を務めた政治家で、それだけ国民の支持を得て、日本国に貢献したのだ。

 

いうまでもないが安倍元首相の葬儀は12日に、東京・芝公園の増上寺で営まれている。その上で「国葬」を行うというのは、憲政史上最長の首相を務めた安倍元首相に国として弔意を示すためのもので、国の式典だ。

 

共産党の志位委員長は同党の公式サイトに「安倍元首相礼賛の『国葬』の実施に反対する」と題した談話を発表している。

志位氏は談話で「政治的立場を異にしていても、ともに国政に携わってきたものとして、亡くなった方に対しては礼儀をつくすのがわが党の立場である」と前置きして「同時に、それは安倍元首相に対する政治的評価、政治的批判とは全く別の問題である。日本共産党は、安倍元首相の在任時に、その内政・外交政策の全般、その政治姿勢に対して、厳しい批判的立場を貫いてきたし、その立場は今でも変わらない」と主張。

 

その上で「岸田首相が言明したように、安倍元首相を、内政でも外交でも全面的に礼賛する立場での『国葬』を行うことは、国民のなかで評価が大きく分かれている安倍氏の政治的立場や政治姿勢を、国家として全面的に公認し、国家として安倍氏の政治を賛美・礼賛することになる」として、反対することを明確にしている。

 

しかし、岸田首相は安倍元首相を礼賛するために国葬をするとは一言も言っていない。岸田首相が安倍元首相の功績をたたえることは当然だが、国葬を行う理由としては「国葬儀を執り行うことで、安倍元総理を追悼するとともに、我が国は、暴力に屈せず民主主義を断固として守り抜くという決意を示していく。あわせて、活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り拓いていくという気持ちを世界に示していきたいと考えている」と説明しているのだ。

 

日本は民主主義国家で、多様な意見があるのは当然だ。そうした多様な意見がある中で政府がさまざまな行政活動を行うのが民主主義国家だ。

志位委員長は「こうした形で『国葬』を行うことが、安倍元首相に対する弔意を、個々の国民に対して、事実上強制することにつながることが、強く懸念される」と指摘しているが、弔意を強制するような社会こそが共産党が目指す共産主義社会で、民主主義社会では、意見を異にする人があることが前提になるのだ。政府の手法に問題があれば、有権者は選挙で判断すればいい。志位委員長は民主主義社会の奥深さを理解できないのだろう。

 

ところで、安倍元首相の国葬に関しては国民民主党の玉木代表は「国の内外から広く哀悼の意が寄せられており、国葬とすることについては理解できる」と見解を示している。

 

その一方で、立憲民主党の泉代表は「政治的に急ぎ過ぎたことが混乱を招いている。政府は追悼の在り方を熟考すべきだ」「予算や国葬の考え方の説明を求める」などとの考えを明らかにしているが、明確な賛否は示さないままだ。世論をにらんでいるのかもしれないが、賛否すら示さないこうした姿勢が国民から支持されない理由に違いない。

 

(terracePRESS編集部)

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