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2019.12.13

底堅い日本経済

内閣府が先ごろ公表した今年7~9月期の国内総生産(GDP)の2次速報は、物価の影響を除いた実質(季節調整値)で前期比0.4%増となった。仮にこの伸び率が1年続いた場合の年率換算では、0.2%増としていた1次速報を大幅に上方修正し、1.8%増となった。

プラス成長が4四半期連続となったうえ、民間の予測も上回るなど日本経済の底堅さを示したといえる。

 

一次速報からの大幅上方修正の要因は、企業の設備投資が底堅かったためだ。前期比0.4%増の寄与度を見ると、内需がプラス0.6ポイント、外需がマイナス0.2ポイントとなっている。

内需の寄与度の内訳を見ると、民需がプラス0.4ポイント、公需が同0.2ポイントで、民需のうち家計が同0.3ポイント、設備投資が同0.3ポイントとなっている。

このため、一次速報からの上方修正からの要因は、確かに、財務省が1次速報後に公表した7~9月期の法人企業統企業の設備投資がプラスに働いたためなのだが、前期比0.4%増となった要因は、家計と設備投資がそれぞれ寄与したということになる。

 

もちろん、これは9月までの統計だから、消費増税前の駆け込み需要があったため、家計が底堅く推移したということはあるだろう。また、設備投資も軽減税率やキャッシュレス決済時のポイント還元などに対応する機器の導入がプラスに寄与したとの見方もある。「10~12月期には剥落するだろう」と語る。

だから、その一方で、消費増税後の消費の冷え込みが懸念され、メディアなどでも「消費増税があった10月の景気関連指標を見ると、消費や生産が落ち込んでおり、足元の経済運営は難しい局面に入っている」「(設備投資は)10~12月期には剥落する」などといった指摘がある。

 

しかし、内閣府の11月の景気ウォッチャー調査では、11月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差2.7ポイント上昇の39.4となっている。その結果、この調査の結果示された景気ウォッチャーの見方は「このところ回復に弱い動きがみられる。なお、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動による影響が一部にみられる。先行きについては、海外情勢等に対する懸念もある一方、持ち直しへの期待がみられる」との判断が示されており、増税にともなう反動は〝一部〟にとどまっているのが実態だろう。

 

また、政府が先ごろまとめた経済対策では、景気の下振れリスク対策として3.1兆円程度の財政支出をする方針を示している上、5.8兆円程度の災害対策では公共投資も行われるため、これも景気の下支えになる。

 

今回の経済対策は、景気へのテコ入れとしても、下振れが顕在化する前に策定されており、安倍首相のいう「機動的に対処」を現実化したものだ。景気は消費者心理が左右する部分も多く、下振れ対策をきちんと政府が行っていることを国民が認識する必要もある。

(terracePRESS編集部)

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