通常国会をまた不毛な議論にする野党の無責任
通常国会が20日に召集されるが、野党はここで、「桜を見る会」とIR(統合型リゾート)事業を巡る汚職事件を2本柱として安倍政権を追及するという。「またあの不毛な国会が繰り広げられるのか」と思う国民も多いだろう。
森友・加計学園問題を持ち出すまでもなく、最近の国会は、国民生活を良くしようという前向きな議論はほとんどされていない。
それはひとえに、政策能力が決定的に欠如している、または政策を示したとしても幻想的、空想的なものにとどまってしまう、野党の問題だ。
政策では勝負できないとみるや、政権を批判するテーマを見つけ出し、そこに焦点を当てるのだ。それだけしか、安倍政権に対峙できるものがないのだ。だから、ことさら声高に批判し、世論に訴えるというわけだ。
しかし、その一方で、昨年の臨時国会末のように、口では「退陣を求める」などと言いながらも、実際に総選挙になっては困るという判断から、内閣不信任案の提出を見送ってしまう。
つまりは、その野党の思考や行動のほとんどは、単なる選挙対策でしかないのだ。
通常国会ではまず、経済対策の裏付けとなる補正予算の審議が行われる。経済対策は財政支出13.2兆円としているが、このうち一般会計ベースでは、補正予算で4.3兆円程度が盛り込まれる。
この経済対策では、災害対策のほか、未来への投資なども盛り込まれている。この補正予算は2020年度予算と合わせて15カ月予算ともいうべきもので、新しい時代に対応する〝新しい日本〟を築く基礎となるものだ。
だからこそ、野党も再び不毛な議論に血道をあげるのではなく、真摯に議論することが求められる。
ちなみに、この経済対策ではIoT時代に対応するため、2023年度までに義務教育段階の全学年の児童生徒一人一人にそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境を実現させることも盛り込まれている。
また通常国会では、働き方の多様化に備え、70歳までの就業機会の確保や労働制度や年金制度の改革について、法案が提出される見込みだ。
国民民主党の玉木代表は記者会見で「とにかく安倍政権を何とかしてくれという声が本当に多い」などと述べているが、「政権批判ばかり繰り返す野党を何とかしてくれ」という国民の願いは届かないのだろうか。
(terracePRESS編集部)