経済対策でGDP6.4%の押し上げ効果
新型コロナウイルス感染症対策のための第2次補正予算が先ごろ成立した。補正予算としては過去最大の規模で、一般会計総額31兆9000億円。財政投融資を含めた財政支出は72兆7000億円、民間支出も合わせた事業規模では117兆1000億円となる。
一般会計では、新型コロナの影響で売り上げが急減した中小・小規模事業者などの事業継続に向けた資金繰り対策に約12兆円、臨機応変な対応ができるよう10兆円の予備費も計上している。
また、家賃支援給付金の創設、医療提供体制などの強化や雇用調整助成金を個人でも申請できるようにするなど各種支援制度の拡充を図っている。
日本政策金融公庫などによる実質無利子、無担保融資はこれまで約15兆円だった融資枠は約47兆円に、民間金融機関を通じた無利子・無担保融資は約24兆円だったのが約53兆円に、政投銀・商工中金による中堅・大企業向け融資は約5兆円から約10兆円にそれぞれ規模拡大している。
すでに国内の感染者は1,000人を下回るほどになってきたが、これまでの経済社会への影響を最小限に抑えるため超大型の補正予算になった形だ。
内閣府はこれまで、2019年度の経済対策と新型コロナへの対策を合わせたGDPに対する押し上げ効果を4.4%程度と見込んでいたが、2次補正については2%程度が見込まれるため、これまでの対策と合わせれば6.4%程度となる。
野党やメディアの多くは日本の新型コロナウイルス感染症への感染防止対策、経済対策を批判するばかりだが、感染の拡大は先進国で最少レベルである一方、経済対策は最大規模だ。
どの国も国民の要望を100%取り入れることは不可能で、それは日本も例外ではない。
また、未曾有の感染症対策は未知のものであったことも忘れてはならない。どの国も手探りの状態でウイルスと対峙してきたのだ。
その中でも、感染防止は日本政府、自治体と国民の協力で順調に経過したことは間違いないし、経済対策も大規模で思い切ったものとなっていることは間違いない。
(terracePRESS編集部)