驚くべき〝お花畑政治家〟の無知
新聞社などメディアの世論調査によると、岸田内閣の支持率が低迷している。国葬や旧統一教会と政治家との関わりが低迷要因とされるが、それもメディア報道の影響によるところが多いだろう。政府の役割は豊かで安心できる社会を構築することで、その点では岸田内閣は堅実な政治を展開している。
例えば、日経新聞などが16~18日に実施した世論調査では、岸田内閣の支持率は43%で、57%だった8月調査から14ポイントの低下。2021年10月の政権発足後で最低となった。内閣の不支持率は49%で、支持より不支持の方が多くなっている。
いずれのメディアの世論調査も同様な傾向を示しており、その低迷要因についてメディアや一部識者は国葬、そして旧統一教会と政治家の関わりを指摘している。
旧統一協会と政治家との関わりについては政府が関与するものではなく、政治家個人や政党が判断するものだし、国葬については、国会の閉会中審査で岸田首相が丁寧に説明している。その説明が国民に伝わっていないところが「説明不足」などと判断される理由なのだろう。
その日経の世論調査によると、「首相に処理して欲しい政策課題」は「景気回復」が46%でトップ、続いて「年金・医療・介護」が40%、「子育て・少子化対策」が31%、「財政再建」が27%、「外交・安全保障」が26%などとなっている。
こうした政策課題への対応が問題で、それにより支持率が低迷するならまだしも、岸田内閣の支持率が国民生活に直結しない理由で低迷しているとすれば、残念なことだ。
ところで、立憲民主党の小沢一郎衆院議員が先ごろ、都内で開いた「小沢一郎政治塾」の講演で、「このままで行くと、殺された安倍さんが一番願ってた方向かもしれないけれども、あやまった国家主義的な、いわば戦前の昭和史のような状況になりつつある。(日本人は)とにかくムードで流されるわけだから、本当に困った話だ」などと話したという。
小沢氏は防衛費の増額などを引き合いに出して「戦前の昭和史のような状況になりつつある」と断定し、あろうことか安倍元首相が国家主義的な国を望んでいたかのような指摘をしている。
確かに防衛費の増額は現在、政府内で検討していることだが、それはロシアのウクライナ侵略を契機に北大西洋条約機構(NATO)が軍事費のGDP2%を打ちだしたことに日本政府が足並みを揃えたことだし、それでなくとも、台湾海峡では緊張が高まっているのだ。
また小沢氏は「戦前の昭和史」などという表現も使っているが、安倍政権が成立、施行させた特定秘密保護法のことを暗に言ってるのだろう。
安倍元首相はこの特定秘密保護法や安全保障法制など国の安全を守るための法整備を着実に進めた政治家だ。
それは時代の要請だったし、ロシアのウクライナ侵攻をみれば、現代社会でも国家間戦争が起こりえることを改めて認識させた。そういう意味では岸田内閣の防衛費増額も時代に合わせた政策判断だ。
小沢氏のように現実社会には目を向けず、お花畑で暮らしているような政治家には、国家主義の再来としか映らないのだろう。
(terracePRESS編集部)