国民生活考えないメディアがダメにする日本
立憲民主党、国民民主党などの野党の合流話がご破算になり、野党に期待する有権者からも、野党への失望が広まっているだろう。そもそも政権批判だけを前面に出すような野党では、建設的な議論など望むことはできない。真に国民のための政党を目指すのであれば、国民生活を向上させるための議論が必要なのだが、現実は全く違っている。
野党がそうした批判政党になってしまうのは、メディアの責任でもある。
安倍首相の施政方針演説に対する各党の代表質問があったが、当然のごとく新聞は代表質問について社説で取り上げている。
朝日新聞は23日付けの朝刊で「国会代表質問 信頼回復には程遠い」との社説を掲載している。
有権者から多数の支持を得られず、合流話すらまとめられなかった野党に対して「信頼回復には程遠い代表質問だった」と野党にお灸をすえたのかと一瞬思ったが、やはり野党の質問ぶりについてではなく、首相の答弁を批判することに終始する社説だ。
社説は「立憲民主党の枝野幸男代表は冒頭、『利権・私物化・隠蔽』という『安倍政権の体質』をただすとして、桜を見る会、カジノ汚職、辞任2閣僚の公職選挙法違反疑惑を取り上げた」などと紹介している、どうやら朝日新聞には「生活の向上についてもっと議論してほしい」「安心して暮らせる社会を作ってほしい」という国民の心からの願いは届いていないようだ。
百歩譲って「桜を見る会」や「IR事件」のことを質問するにせよ、優先順位が違うはずだ。それを野党だけでなく、朝日新聞も気が付かないのだ。国民生活の置き去りに問題点があると気が付いているのなら、それを指摘するべきではないか。
毎日新聞も同様だ。毎日は「代表質問への首相答弁 肝心な点になぜ答えない」と題し、
「安倍晋三首相は同じ答弁を何度も繰り返すことが『丁寧な説明』だと勘違いしているのではないか。そんな疑問さえ抱く」「『桜を見る会』の疑惑などに対する首相の答弁は昨年12月の国会当時とほとんど変わらなかった。これでは到底納得できない」と冒頭から強調している。こちらもまた、国民生活はどうでもよいと思っているのだろう。
「桜を見る会」については政府も問題があったことを認め、今年の開催を見送るとともに、これまでの招待基準を見直すことを表明している。それ以上、どのような対応をしろというのか。
首相は、施政方針演説で新しい時代にふさわしい、新しい国を作ることを表明し、国民に呼びかけている。新しい国作りをどうするのか、どのような国にするのか。代表質問は、そこを問うべきだったのではないか。
どうやらこの国をダメにしていえるのは、一部のメディアの存在なのかもしれない。
(terracePRESS編集部)