共産「野党連合政権」にどう答える? 立憲、国民
共産党は先ごろ、第28回大会を開き、党創立100周年にあたる2022年までに野党連合政権の実現を目指す方針を掲げた決議を全会一致で採択した。決議では、野党共闘について、「最大の課題は政権問題での前向きな合意をつくることだ」などとしている。
創立100周年を迎える政党の党大会がまだ28回しか開かれないこと自体が、共産党の非民主性を示すものといえるが、それは措くとしても、共産党のこの方針に立憲民主党や国民民主党はどのような対応をするのか。有権者は、その答えを聞きたいだろう。
例えば、安全保障。立憲も国民も「日米安全保障が機軸」との考えを示している。では、共産党はどうか。今回の共産党大会の決議では、「日本共産党は、自衛隊や安保条約について独自の見解をもっている。自衛隊は憲法9条に明確に違反しており、日米安保条約をなくしてこそ、日本は本当の独立国といえる国になると考えている。しかし、こうした日本共産党の見解を政権に持ち込むことはしない」と記載している。
本来は日米安保など認めないが、政権に加わるために、そこは主張しないというのだ。こうした政党と立憲や国民両党は根本的に考え方が違うはずだ。
そもそも、本来は日米安保には反対だが、政権に参画するために主張しないというのでは、有権者をだますことにもなるだろう。
党大会には立憲から安住国対委員長が来賓として参加している。安住氏は挨拶で「今後お互いの距離をさらに縮めていき、国会運営や国政選挙で一体感のある協力をしていこう。そうすれば、自然とその先に政権が見えてくる」と述べている。これは、立憲も野党政権を実現するために共産党と手を組むといっているのと同じだ。
大会決議でも言及しているが、共産党は「資本主義を乗りこえた未来社会の展望を綱領で示している党」をうたっている。「資本主義を乗り越える」と言えば聞こえはいいが、現代社会の資本主義は自由主義、民主主義を基盤にしている。それを乗り越えるとなれば、自由を規制する規制社会でしかない。
その党が野党連合政権の実現を各野党に呼びかけているのだ。それを換言すれば、自由主義社会を維持するのか、野党が連合して自由を規制する社会を作るのか、その選択になる。
国民は、共産党に呼びかけられた野党各党が、呼びかけをどのように認識し、どのような対応をするのか、その答えを待っている。
(terracePRESS編集部)