辺野古県民投票、普天間はどうする?

普天間基地から名護市辺野古への移設にからみ、〝新基地建設〟の賛否を問う県民投票の実現を目指す「『辺野古』県民投票の会」(元山仁士郎代表)は署名期限の7月23日、集まった署名が6万5926筆(22日午後9時現在)に達したと発表した。

 

署名は条例制定を求めるために最低限必要な有権者の50分の1(約2万3千筆)を4万筆余り上回っており、各市町村選管で有効かどうかを審査。その結果、有権者の50分の1に達していれば、条例制定を知事に請求できる。

 

県民投票の会の「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票条例請求の要旨」では、「国策とはいえ、沖縄県民の理解を得られない米軍基地建設計画を米国と約束し、建設を強行することは許されません。埋立てを承認し、あるいはこれを撤回する権限は知事にあります。知事が県民の意見に基づいて適切な判断を行うためには、県民投票を実施することがもっとも効果的な方法であることは明らかです。よって、私たちは本条例の制定を直接請求します」と、知事が適切な判断を行うために県民投票の実施が必要としている。

 

しかし、翁長雄志知事が、前知事の埋立て承認を取り消したことが、最高裁で違法と判断されたことは周知のとおりだ。仮に県民投票が行われ、埋立てに反対する結果となったとしても、その判断が違法であれば、法治国家である限り認められないだろう。

 

それよりも、だ。この県民投票の請求は、普天間基地の危険性を除去するという重大な視点が完全に欠如している。この点について県民投票の会は自ら公表しているQAで「県民投票は(略)普天間基地の賛否を問うものではありません。そもそも沖縄の県民の多くは、辺野古か普天間かではなく、『これ以上新しい基地は要らない』『普天間基地は早期に閉鎖・返還を求める』というものです」と説明している。

 

しかし、現実には、辺野古での基地建設が進まなければ、それだけ普天間基地が残ってしまう。

 

ましてや、このQAにある「これ以上新しい基地は要らない」という見方は事実ではない。普天間の辺野古への移設であり、新基地建設ではないし、新たな基地負担でもない。辺野古で進んでいるのは、既存の陸上部の米海兵隊キャンプ・シュワブにつながっている陸上部と海上部だ。つまり、キャンプ・シュワブの拡張というのが実態だ。

 

しかも、ここが重要だが、普天間と違って滑走路の進入路はまったく市街地にかからない設計だ。最寄りの住宅地から1.5キロメートル、市街地からも10キロメートル以上離れている。

さらに、面積を考えると480ヘクタールの普天間基地が、キャンプ・シュワブの拡張部(辺野古)は205ヘクタールだ。

 

県民投票をやろうとしている人たちは、普天間の危険性除去をどのように考えているのか? キャンプ・シュワブの拡張、つまり辺野古への移設に反対する共産党やオール沖縄こそ、普天間基地の周辺の住民の安全性を軽視している、否、無視しているとさえ言えるだろう。