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メディアはマッチポンプ?

東京新聞が7月24日付け朝刊に「支持率下がる 政権に厳しい国民の目」と題した社説を掲載した。通常国会閉会を機に報道各社が実施した世論調査で、内閣支持率が下がったことを取り上げ、「『カジノ法』などを強引に成立させた安倍内閣に対する不信感の表れだろう。政権は重く受け止めるべきである」と主張している。

 

しかし、ここでも「また」だ。世論操作と言えるような「カジノ法」との表現。さすが東京新聞。何らかの意図を持っていると言わざるを得ない。正確を期すべき報道機関なら、せめて「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」と表現すべきではないのか。

 

さすがに、まずいと思ったのか、社説はその後、各社が行った世論調査で内閣支持率が下がっていることを紹介したうえで、「カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法や『働き方』関連法、参院定数を6増やす改正公職選挙法など国民の反対が根強い法律を強引に成立させた政権の横暴にある」と述べ、ここでは「カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法」という表現を使っている。

 

新聞の場合、通常、記事中の初出はなるべく正確な名称などを用い、二回目以降に簡略化する場合はある。しかし、最初に「カジノ法」と書き、その後「カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法」と表記するに至っては、やはり国民に、まさにカジノを解禁するためだけの「カジノ法」と印象付けようという意識が働いていると言わざるを得ない。

 

すでにこのブログでも書いているが、報道機関の意図的な記事によって国民の世論が左右されてしまうのである。IR法しかり、働き方改革しかりだ。

 

働き方改革では確かに、裁量労働制の調査に問題があったが、メディアはそれを除いた働き方改革関連法でさえもネガティブに報じている。しかし、「労働界の悲願だった」とさえ言える罰則付きの残業時間規制が導入されたのだ。経済界の反対でこれまで実現できなかったもので、ある意味「労働基準法の制定以来、70年ぶりの大改革」と言ってもよいのだ。

 

これまでは労働者と使用者が協定を結べば残業時間は事実上、上限なしだったが、これが原則として月45時間、年360時間と規定された。繁忙期は単月で100時間未満、年720時間まで残業を認めた。

 

いずれにしても上限を超えた場合、違反した企業や上司には、30万円以下の罰金か、6カ月以下の懲役を科すことになる。この点が、今回の働き方改革の残業規制のポイントだ。

 

このように、働き方改革はこれまでできなかったことができるようになった。歴史的な変革なのだ。そこを無視して、東京新聞などの一部メディアは批判のための批判を繰り返す。そして「国民に批判され支持率が下がっている」と、したり顔で解説する。これを一般社会ではマッチポンプというのだろう。

 

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