新型コロナウイルス特措法の改正さえも道具に使う共産党
新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象に加える改定法案は、立憲民主党や国民民主党などの野党も成立に協力した中で、共産党は反対を貫いた。
共産党は改正案の問題点を「私人の権利制限を行えることだ」と指摘しているが、どうやら国民の命を守るということは二の次らしい。
共産党の塩川議員は衆院の反対討論で、特措法の最大の問題点は、緊急事態宣言の発動で「外出自粛要請」や「学校・社会福祉施設・興行場等に使用等の制限・停止の要請・指示」などができ、私人の権利制限を行えることだと指摘している。
そもそも共産主義は私権に制限を加えるのがお得意で、それは旧社会主義国だけでなく、現在の中国を見ても明らかだ。
そもそも共産党は綱領で「社会主義的変革の中心は主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である。社会化の対象となるのは生産手段だけで、生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される」としている。
生活手段、私有財産が保証されるとしているものの、生産手段は〝社会化〟されるのだ。社会化というと言葉が優しくなるが、要は生産手段の個人、私企業の保有は認めないということだ。
そうした社会で、いくら私有財産は補償されると言っても、私権は制限されることになる。
そんな政党が特措法の改正について「私人の権利制限を行える」ことを反対の理由にしているのは、独自色を出そうという判断なのだろう。
与党や共産党以外の野党が、新型コロナウイルスから国民を守るために協議して、協力する中で、独自色を出すために反対するというのは、国民を愚弄する行為だ。
特措法を道具に使っているにすぎないのだ。
百歩譲って、本当に緊急時の私権制限を問題視しているとしても、共産党は国民の命を守るということよりも緊急時の私権制限を求めないことを重要視していることになる。
共産党は、口では聞こえの良いことは言っても、国民の健康など二の次と考えていることは明らかなのだ。
(terracePRESS編集部)