首相批判のためのフェイクニュースの作り方

政府が配布している布製マスクをめぐって、安倍首相が記者会見で、質問した朝日新聞の記者に対して「御社も売っている」と指摘したことについて、毎日新聞などが「首相が反撃」といった見出しで、さも安倍首相が批判した記者に腹を立て反論したかのような記事を掲載している。

しかし、これは全く事実と異なる、まさにフェイクニュースと言っても過言ではない。

 

17日の会見では、朝日新聞の記者が学校の一斉休校、布マスク配布、投稿動画などについて世間から批判されているとしたうえで「自身でどのように評価しているか」との質問を投げかけた。

この質問に対する安倍首相のマスクについての回答は「布マスクについては、先ほど申し上げたように、まずはサージカルマスク等を医療機関にしっかりと配付しながら、言わばサージカルマスクの受注について、この対応をしていく上においても、それ以外の、例えば介護施設等々については布マスクを配付させていただいた。今、御質問いただいた御社のネットでも、布マスク、3,300円で販売しておられたということを承知しているが、つまりそのようなこの需要も十分にある中において、我々もこの2枚の配付をさせていただいた」というものだ。

 

これを読めば、首相が朝日新聞に対し反撃したものでも、批判したものでもないことは明白だ。普通の読解力がある人間が読めば、首相は「御社のネットでも布マスクを販売していたように、そういう需要はあると思っている。だから2枚を配布する」と、需要の存在を説明したに過ぎないことが理解できるだろう。

 

首相はそもそも、この会見の冒頭、布マスクについて「これまで医療機関へのサージカルマスクの優先的な配付を行ってきたが、これに加え、介護施設や、あるいは小中学校、また妊婦の方々に対して、感染拡大防止の観点から布マスクの配付を行ってきた。その上で更に枚数が確保できる見通しとなったことから、手に入らずに困っている方々がたくさんいらっしゃるという認識の下に、国民の皆様に広くこの布マスクの配付を行わせていただくことにした。これは洗えば何回も使えるもので、マスク需要の抑制にもつながっていくと考えている。シンガポールでも全国民に対する布マスクの配付を行っていると伺っているし、また、パリ市においてもそういう決定がなされたと聞いている」と丁寧に説明している。

 

そのうえで、朝日新聞記者の質問に対して、需要があることを例示するために「御社のネット」を引き合いに出しただけだろう。

 

この首相の回答で、なぜ毎日新聞のように「“布マスク批判”を指摘の朝日記者に首相が反撃 『御社も3300円で販売』」といった見出しの記事になるのだろう。記事中では首相の説明について「皮肉った」という言葉も使っているが、毎日新聞は首相が朝日新聞に反撃したという構図を作り出し、首相への批判が集まるような世論誘導をしたかったのだろう。

(terracePRESS編集部)