有権者が評価した政府の新型コロナ対策
衆院静岡4区補欠選挙が4月26日投開票され、自民党新人の深沢陽一氏=公明党推薦=が、立憲民主、国民民主、共産、社民4党推薦の無所属新人田中健氏(42)らを破り、初当選した。開票結果をみると、深沢氏の66,881票に対し野党候補の田中氏が38566票と、深沢氏の圧倒的な勝利となった。
今回の選挙で野党は、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」、いわゆる「市民連合」と政策合意を取り交わし、共産党が擁立予定だった候補者を取り下げるなどの調整をし、田中氏を統一候補とした。
もともと市民連合は、純粋な市民というより反安倍政権の有識者らで作る団体で、最近でもホームページで、「新型コロナで機能不全、安倍政権の事なかれ主義 『やってる感』も無策 これから来る本当の危機」と題した上智大国際教養学部の中野晃一教授の寄稿文を掲載し、国民の不安を煽っている。
なにしろ寄稿文では「(特措法で)緊急事態が宣言されると、憲法が保障する私権が制限されることもあり得る。それは、判断能力を欠いた頭から、日本の立憲民主政体がいよいよ死に至る病に陥ることを意味しかねない」などと述べ、緊急事態宣言で日本の民主主義が破壊されるかのような、まったくお門違いの批判をしている。
野党各党はそんな市民連合を媒介として野党統一候補で補選に臨んだわけだ。補選は 緊急事態宣言が発出された中でのもので、屋内の集会や街頭演説での人集めを自粛するという異例の選挙戦になったが、もちろん新型コロナウイルス対策の是非も争点となった。
それは、野党候補の田中健氏のユーチューブ「タナケンチャンネル」にゲスト出演した立憲民主党の枝野代表が「コロナ対応、今の対応で本当にいいのかどうか。全国の中で静岡4区の皆さんだけが、政府の姿勢に対する評価を下せる」と訴えたことをみても明らかだ。
野党は、政府の新型コロナウイルス対策を批判することで、選挙戦を戦ったのだ。
しかし、結果を見れば自民党の深沢氏の圧勝だ。もちろん、深沢氏に投票したすべての人が政府や自民党の新型コロナ対策に満足しているとも言えないだろうが、それでも批判ばかりの野党の主張が有権者に受け入れられなかったのは間違いない。
立憲の福山幹事長は、野党の敗北について「統一候補で戦えたことは一定の成果があった」などとの認識を示したが、批判ばかりで建設的な議論すらしないという野党の姿勢が有権者に受け入れられないことには気づいていないようだ。
(terracePRESS編集部)