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開いた口が塞がらない時事通信の稚拙記事

内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室の男性職員が先ごろ、新型コロナへの感染が確認された。同推進室は、政府の新型コロナ対策の中枢を担う部署で、この職員は、西村経済再生相が19日に東大病院を訪れた際、同行していた。

このため、西村氏は25日から自宅待機し、27日に公務復帰したが、公務復帰にあたってはPCR検査を受け、陰性であることを確認したという。

 

西村氏は経済再生担当相と同時に、現在は新型コロナ対策も担当している。緊急事態宣言が発出された状況の中で、日本は現在、一丸となって終息に向けて行動しなければならないが、西村氏はその対策の司令塔だ。

英国ではボリス・ジョンソン首相が感染し、一時入院する事態となった。幸いにも回復し公務に復帰したが、一時的とはいえ英国の対策推進に影響が出ただろう。

もし、西村氏の不在期間が長引けば、日本もそれだけ対策の推進に影響が出たはずだ。

 

SNSでは「要人だから受けられた」などと批判する声があったが、検査し、陰性を確認するのは当然だ。速やかに公務、それも新型コロナ対策に復帰することが国民の利益にもつながるのだ。

 

SNSで批判する人々はそんな認識も持たないまま、茶飲み話程度の話を投稿しているのだろう。しかし、情報を社会に出すことに何の責任も負わない人々であっても、投稿することは自由だ。

 

だが、そうしたSNSの反応を「ニュース」だと判断するメディアがあるのだから驚きだ。なんと、時事通信は「西村担当相PCR検査に批判続出 『要人だから』『ずるい』」との見出しで、西村氏がPCR検査を受けたことにSNSで批判する声が相次いだことを伝えているのだ。無責任な個人の単なる〝感想〟を題材に記事を作るのだから、驚きだ。

 

記事は、西村氏がツイッターに「PCR検査も受け、陰性であることも確認した」と投稿したことに「『どうしてあなたが検査を受けられるのか』『政府要人だから検査してもらえる』」などと批判的なコメントが相次いだ」と指摘。

さらに、「立憲民主党の福山哲郎幹事長は『大臣だけは早く検査が受けられるという不信感を招かないよう、検査の実施の拡大を政府に強く求めていきたい』と指摘した」と伝えている。

 

識者の中にもPCR検査の拡大を求める声があるのは事実で、百歩譲って、記事にその必要性を社会に伝えたいという意図があるにしても、あまりにも稚拙な記事というほかはない。こうしたメディアが新型コロナ対策の足を引っ張っているのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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