安倍首相「日本経済のエンジンの中小企業を破損させない」
新型コロナ対策で経済活動の自粛が求められる中で、政府が、家賃の支払いに苦慮する中小・小規模事業者への支援を拡充するという。
安倍首相は「躊躇なくやるべきことを、やっていきたい」と述べており、国民の命と健康を守るための感染拡大防止とともに、経済対策もさらに充実させる考えだ。
28日の衆院予算委員会で安倍首相は、現在の経済状況について「経済活動をしようとすれば、健康あるいは命に関わってくるという状況があるわけで、直ちに景気刺激策を打てば効果が出るという状況では残念ながらない。リーマンショックのときはそうで、大恐慌の時よりも、ある意味では、精神的には厳しい状況になっている」などと厳しい認識を示している。
そのうえで予算委では、自民党の岸田政調会長が中小企業などの家賃支援について、事業者が金融機関からの融資のうち家賃の支払いなどに回した分を国が実質肩代わりする案を提案、首相は「この状態がさらに延びればさらなる対策も必要になる」と述べ、自民党が案をまとめれば、前向きに検討する考えを示した。
また、減収となった中小企業に最大200万円支給する「持続化給付金」の上限額の引き上げについて首相は「(中小企業は)日本経済のエンジンで破損させてはならない。そういう状況が起こるとなれば間髪入れず対応する」と語っている。
状況に応じて対策を実施することは危機管理の基本だ。緊急事態宣言も、当初は7都府県に発出し、状況に応じて全国に拡大した。経済対策も必要に応じて強化する。それが国民の生活の確保につながるわけだ。
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に出演するコメンテーターの玉川徹氏がたびたび政府の対策について「戦力の逐次投入は最悪」などと批判している。一度だけ最大限の対策を実施すればその後は何もしなくてよいとでも言うのかもしれないが、そうではなく、状況に応じて果敢に対策を打っていくのが政治だ。
新型コロナウイルスの感染対策でも、感染防止対策と学校休業対策をメインにした対策の第一弾、第二弾、そして緊急経済対策を策定。また、自粛の呼びかけ、学校の休業要請、7都府県への緊急事態宣言、宣言の全国への拡大などと順次、対応してきており、それが一定の効果を上げているのだ。
日本経済のエンジンである中小企業対策も、状況に応じて今後強化する。それが安倍首相の決意なのだろう。
(terracePRESS編集部)