がっかりした石破氏のキャッチフレーズ

9月に行われる自民党総裁選をめぐり、石破茂・元幹事長が先ごろ、総裁選への出馬を表明した。野田聖子氏の動向は不明だが、いずれにせよ総裁選は、安倍首相と石破氏の一騎打ちになる見込みだ。

 

それにしても、石破氏にはガッカリした。石破氏は10日、国会内で記者会見し、立候補を表明したのだが、記者会見する石破氏の背後のボードは「正直、公正、石破茂」とのキャッチフレーズが印刷されていた。そして、報道などによると石破氏は「私は本日、総裁選に立候補する決意をしました」と述べた後、約10分間にわたって「政治への信頼回復」について語った。

 

また、週末のテレビなどでは、「正直、公正」の意味について問われると「政府が言っていることは信頼できる、嘘言ってないよね、証拠を書き換えたりしないよね」と述べ、安倍政権を批判した。

 

石破氏と言えば、自他ともに認める〝政策通〟だ。総裁選についても、政策論争の場にすべきとの主張をしてきたはずだ。しかし、キャッチフレーズにしている「正直」も、「公正」も政策ではない。

 

確かに、安倍政権では森友学園や加計学園の問題が表面化したことは事実だ。

だからこそ野党は、立法機関であるはずの国会で、立法活動はそっちのけで、森友・加計問題で安倍批判を展開してきた。その点においては、石破氏の主張、キャッチフレーズと同じだ。

 

もちろん、石破氏も政策論争そっちのけで、安倍批判をしているわけではないだろう。民法テレビの番組で「アメリカの大統領選のようなディベートをやりたい。憲法、外交、財政、社会保障などテーマを区切ってやりたい」と述べており、政策論争にまったく後ろ向きということではないらしい。

 

しかし、それでもだ。キャッチフレーズからは目指すべき国家像、社会像は見えてこないのだ。最も訴求したいことが「正直」であり「公正」というのは、単なる選挙戦術でしかないだろう。

 

少子・高齢化が進む日本で、どのような国を目指すのか、そこをスタートにしない限り、政策論争などできないだろう。少なくとも深堀はできないに違いない。

今回の総裁選は、現職首相の安倍氏と、政策通の石破氏の激突だけに、これまでの総裁選とは異なる、ダイナミックな政策論争が行われると期待されていた。それを総裁選が始まる前からぶち壊したのが石破氏だ。