農業活性化に取り組む安倍政権

国内農業は担い手の減少と急速な高齢化に直面している。これまで専業農家の育成、農地の集約化、新規就農者の促進などさまざまな対策が行われてきたが、農業危機に歯止めはかかっていない。しかし、安倍政権は農業についても意欲的な取り組みを行っており、新たな国内農業の創造となるとの期待が出ている。

 

農水省によると、農業で主な収入を稼いでいる農業者は1985年に346万人だったが、2015年には175万人にまで減少した。20年間でほぼ半数になった計算だ。これを放置すれば国内農業が崩壊するのは自明だ。

 

日本の農業といえば長らく、朝日新聞などのメディアが批判する対象だった。補助金行政の代名詞のようにとらえ、農家は補助金をもらって生計をたてているかのような批判を繰り返してきた。そこには、食料供給という重要な視点や、コメの場合、農業者が一生のうちせいぜい20回程度しか生産できない産業であるのに、あたかも工業と同一視し、生産性や効率性などを求め続けてきた。

そもそも、もし農業者が補助金をもらって生計をたてられるような仕事であったら、農業希望者が続々と現れ、これほど後継者不足に悩むこともなかっただろう。

 

しかし、過去のメディアの報道ぶりを批判しても、今さら農業が活性化できるわけでもなく、求められるのはどのように国内農業を改革していくかという点だろう。

 

安倍政権はこの点でも、意欲的な取り組みを行っている。安倍政権が策定した「未来投資戦略2018」は、①今後10年間(2023年まで)で、全農地面積の8割が担い手によって利用される②今後10年間(2023年まで)で、資材・流通面での産業界の努力も反映して担い手のコメの生産コストを2011年全国平均比4割削減する③2019年に農林水産物・食品の輸出額1兆円を達成する-といった意欲的な政策目標を掲げている。

 

全農地面積の担い手利用については、2017年度末が55.2%だから、これを8割に引き上げるには、農地の縮小を図れば別だが、新規就農者や農地の集約を加速的に進めなければ達成できないだろう。

 

輸出についても2017年の輸出額が約8000億円だから、2年間で2000億円増を図らないと目標は達成できない。

 

安倍政権はこれらの目標を達成するために「地域の基幹産業である農林水産業の生産性を抜本的に高めなければならない」「所得向上を通じ、農山漁村の居住の場としての魅力も高まっていく」などとしている。

 

具体的には①新規就農者の裾野の拡大②信用保証制度の見直し③営農型太陽光発電の促進④都市農業の振興⑤高齢者、障害者、生活困窮者の就農・就労支援⑥農地集約の加速化-などの政策を実施するという。

 

安倍政権の意欲的な農業対策は地域振興対策でもある。新しい国内農業の構築が促進されれば、生き生きとした新しい農山漁村が生まれるだろう。