terrace PRESS

CATEGORY経済

2020.07.14

10年は待てない多様性のある経済社会への改革

メディアはほとんど報じていないが、西村経済財政担当相の有識者懇談会「選択する未来2.0」が先ごろ中間報告をまとめた。報告は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるテレワークの広がりなどに代表される社会の変化を〝社会改革の契機〟ととらえ「多様性を尊び、変化を取り入れ、この数年に集中的な取組を行う。これにより、長年指摘されながら解決できなかった課題を解決するとともに、通常10年かかるであろう変革を、将来を先取りする形で一気に進める」と、改革の必要性を声高に訴えている。

 

安倍政権はこれまで子育て支援の充実や教育の無償化、地方創生などを進めてきたが、少子化対策、生産性の向上などの取り組みはまだ道半ばとなっている。このため懇談会は、経済財政諮問会議の専門調査会「選択する未来委員会」が2014年11月にまとめた報告「未来への選択」に盛り込まれた対応の進捗状況の検証や、今後の必要な対策を検討するため設置された。

 

しかし、中間報告のとりまとめまでに新型コロナ感染症の感染拡大があり、社会のあり方が根本から見直されることになり、それに伴い、新型コロナ後の社会改革の方向性を色濃く打ち出している。

 

このため、中間報告は、テレワークの普及や男性全員が育児休暇を取得できる環境整備、人工知能(AI)などの先端技術を使って効率的で快適な暮らしができる次世代型都市「スマートシティー」を全国で100カ所形成することなどによる一極集中の解消、育児休業給付金の給付率引き上げなどを提言しているのだが、盛り込まれた具体的な取り組みについては報告自体に譲るとして、注目すべきは社会改革についての認識だ。

 

報告では「仮にこの機会を活かせず、この数年の取組が不十分なものにとどまる場合、どのような未来が待っているのか。危機意識を共有するため、あえてその姿を描けば、以下のような『現状維持も困難になる停滞経済』とも呼べる未来」として、改革が進まなかった社会の姿を示している。

 

それによれば、改革が進めなかった場合は ①多様な能力が認められず、働き方も画一的で、新しい発想やイノベーションが生まれない社会 ②男性中心の硬直的な働き方や社会構造が変わらず、所得が伸びずワークライフバランスも実現できない社会 ③危機時の負担が女性や高齢者等の社会的に弱い立場の人に集中し、生活の質における格差も広がり、個人が幸せを感じられない社会 ④企業が従来以上にリスクに慎重となり、雇用や投資を行わず、イノベーションも不活発、持続的な成長が実現できない社会―が待ち受けているという。

 

国民は決してこのような社会を望んでいない。中間報告が求めているのは、画一的で横並び志向の硬直的な社会ではなく、変化や失敗も許容できる柔軟性の高い、多様性のある経済社会の実現だ。これこそ、次世代に残すべき新しい社会と言えるだろう。

 

(terracePRESS編集部)

この記事をシェアする

関連タグ

人気関連記事

インタビューINTERVIEW

Coming Soon

投稿種別CATEGORY

  • 政治
    政治
  • マスコミ
    マスコミ
  • 国内
    国内
  • 社会
    社会
  • 事故・事件
    事件・事故
  • 経済
    経済
  • 動画
    動画
  • 法律
    法律
  • 教育
    教育
  • 歴史・文化
    歴史・文化
  • 国際・海外
    国際・海外
  • 特集
    特集
  • インタビュー
    インタビュー
  • その他
    その他

注目タグTAGS