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日米安保60年、思考停止の日本人

日米安全保障条約が先ごろ、旧条約を改定してから60周年を迎えた。安保条約は日本外交の基軸で、日本の安全、国民の生命財産の保護に多大な寄与をしてきたことは間違いない。現実に平和が保たれてきたということ自体が、日米安保の効用を物語っている。

しかし平和が保たれてきたからこそ、日本人自身はこの60年間、国の安全を守ることに無頓着になり、思考は停止したままとなっている。今の日本にとって必要なのは、世界の安全保障、それも日本を取り巻くアジア情勢の現状について正しい認識を持つことから始まる。

 

現在の安保条約は第5条で「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」とし、米国の対日防衛義務を定めている。

また、第6条では「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」として、米国への基地提供義務を定めているほか、米国はその米軍基地を日本の防衛と極東などの安全に寄与するため利用できることも定めている。

 

この安全保障のスキームはこの60年間変わっていないが、日本を取り巻く安全保障環境は大きく変わっている。米ソ冷戦下では、日本はソ連の北東アジア進出を抑制する拠点としての役割を務め、実際、その役割を果たしてきた。

 

しかし、アジアの緊張という観点に立てば、当時と今では比べ物にならない。南シナ海では中国が人工島を建設し、軍事拠点としている。南シナ海と言うと日本の安全保障とは直接結びつかないように思われるが、日本が中東から輸送する石油は南シナ海を通っているため、南シナ海の安定や航行の自由の確保は日本の生命線と言ってもよい。

 

それだけではない。中国は日本向けに約2000発のミサイルを保有しているとの情報があるし、北朝鮮も日本を標的にしているミサイルを持っていると言われている。

また、尖閣諸島では中国公船の領海侵犯などが続いている。

 

つまり、日本を取り巻く安全保障環境はこの60年で激変しているのだ。そうした中で、昨日と同じように明日の平和も保たれると考えているのが日本人なのではないか。

最近になって、敵基地攻撃能力の保有の是非について議論が進んでいるが、敵基地攻撃能力については1956年2月29日の衆院内閣委員会で当時の鳩山首相が「わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾などによる攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思う」と述べている。

 

日本の領土、領海を守り、自らの生命、財産をまもるためにどのような国にするのか。それを考えるのが国民の責務だ。

 

(terracePRESS編集部)

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