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2020.07.13

新型コロナ対策も、災害対策も

新型コロナウイルス感染症の拡大阻止が日本の大きな課題となっている中で、九州地方などを中心に再び大きな豪雨被害が出た。国土が狭隘で急峻な日本では災害対策は、国民の生命・財産を守るための重要かつ喫緊の課題だが、近年は毎年のように尊い命が失われている。

災害対策は安倍政権が真正面から取り組まなければならないテーマだが、そこに現在は新型コロナの感染拡大阻止という課題も出てきて、政府はいわば〝二正面作戦〟を迫られていることになる。しかし、政府は新型コロナ対策などさまざまな批判を受けているが、その中でも、この二正面作戦を粛々とこなしているというのが実状だろう。

 

新型コロナなどで景気の低迷が懸念されているが、政府はすでにGDPに対して6.4%程度の押し上げ効果がある経済対策を策定している。これは2019年度の経済対策(補正予算)と2020年度予算の1次補正、2次補正を合わせて見込んだ数字だ。

 

「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」と題された2019年度の経済対策は新型コロナ問題がまだ深刻化していない19年12月に編成したもので、災害対策などを中心としている。

災害対策は長期に及ぶもののため、残念なことに今回の豪雨被害もまだ対策ができていない脆弱な地域で発生しているが、それだけに豪雨や台風、地震など災害が頻発する時代にあって、着実な対策の実施は重要な課題だ。

 

この経済対策に伴う2019年度補正予算では、災害対策として2兆3,086億円を計上。河道掘削や堤防のかさ上げ・補強や雨水貯留施設などの整備による内水浸水対策、高波などによる被害の防止、学校施設の耐震化、防災機能の強化といった各種の事業の実施を盛り込んでいる。

 

こうした災害対策は政府が2018年12月に策定した「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づくものだ。これは安倍政権が災害対策を政権の重要な政策課題としていることを示すもので、事業規模は3か年で7兆円程度と見込んでいる。2019年度はその初年度にあたることになり、補正予算でその予算も確保している。

 

新型コロナウイルス感染症をめぐっては景気の落ち込みが懸念されているが、財政支出は景気の下支えになる。災害対策は河川の補修などの公共事業を実施することになるため、災害対策の推進で国民の生命や財産を守ることができると同時に、景気対策にも寄与することになる。

 

現在、日本は「新型コロナ対策」と「災害対策」という異なる二正面に対峙することが迫られているわけだが、災害対策の推進が新型コロナで落ち込んだ景気の下支えにもなる。

 

(terracePRESS編集部)

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